劇場公開日 2020年2月21日

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「この路線でOKだけど、警察がザコすぎ」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 その辺の草さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この路線でOKだけど、警察がザコすぎ

2020年2月22日
iPhoneアプリから投稿

情報技術が進むにつれて、サイバー犯罪の手口も、より高度かつ悪質になってきている。今後、ますます情報格差が生まれ、情報に対して無関心な一般人は食い物にされるだろう。
被害が発覚した後では手遅れで、そうならない前に重要な個人情報は守らなければない。ただ、守るとしても、どういう手口が存在するのか、存在しうるのかについて想像できなければ、有効な対策にはならない。

本来であれば、
1.個人情報が第三者に知られる危険性
2.日常生活には、悪意ある者に不正にアクセスされるリスクが潜むこと
を十分に理解して、どう対処すべきかを各自考えていかなければならない。

本作品の題材は、上記に必要な想像力のヒントをくれる。その意味で、現代社会に、リアルなメッセージを突きつけてると思う。

ただ、ミステリー映画として、どうなの?という箇所は沢山あると思う。
特に気になったのは、警察の弱さ。もう少し、対等に張り合ってほしい。対等に張り合って上で、それでも、犯罪者の知能がそれを凌駕して、はめられるような展開なら、納得する。
......サイバー犯罪科に勤める人間が、簡単に不正アクセスされるようなヘマはしないだろう......凶悪犯の看守役が利己に負けて取引に応じることはしないだろう......護衛役があんな簡単に倒れたりはしないだろう。

ちゃんとミステリーしてる部分もあるにはあるが。結末の意外性はあるけど、前作ほどのインパクトはない。
今作は、どちらかというと、見せ場の意識を感じた。前作の犯人のキャラクター性は個人的には結構好きだし、配役もあってると思う。しかし、構図や展開にオリジナリティはない。羊たちの沈黙を模倣している。しかも、真似ているだけで、その展開にもっていける説得力が足りない。

アニメ多め