劇場公開日 2020年2月21日

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「原作がいいだけに・・・」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作がいいだけに・・・

2020年2月22日
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もったいない。
テレビ局制作だけに後々、地上波での放送を念頭に置いた作りだろうから、こういう風になるのは仕方ないのかな。
まず、ダークウェブの実態の描写がほとんど無い。この作品の肝になる部分だけに前宣伝のミニ特番でアリバイ作り程度にやるくらいなら、本編でもう少し詳しく触れるべきだと思った。
それと白石麻衣と千葉雄大の学芸会レベルの演技も最後まで馴染めなかった。特に白石麻衣は現役トップアイドルという話題先行でのキャスティングだろうが、セリフ回しがあまりにもたどたどしくて、ストーリーどころではなかった。
千葉雄大は前作から引き続きでの起用だが、連続殺人鬼と対峙する捜査官というにはあまりにも頼りなさげというか、線が細すぎる。犯人役の成田凌の怪演ぶりが際立つだけに残念。
もう一つ、「M」が一体誰なのか? というストーリー進行の中で思わせぶりに首筋に傷を持つ男が度々登場し、最後に正体を明かすのだが、結局その傷の由来が触れられず仕舞いなのもどうなのか? と。
また、監督は「リング」シリーズのホラー映画の大家・中田秀夫で所々に「らしさ」が出てるのだが、そもそも、サスペンスには不要な演出も多いかな? という印象。

名のあるキャストを集めたので、それなりにはヒットするだろうが、色々と残念な作品。

藤崎修次