「翻訳家が監禁されるという設定だけでドキドキ」9人の翻訳家 囚われたベストセラー mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
翻訳家が監禁されるという設定だけでドキドキ
この映画については、ネタバレは決して読まずに、できたら予備情報も何も知らないまま気軽に観ることをおすすめします。
世界的にヒットを遂げた『デダリュス』の完結編が、さまざまな言語で同時に翻訳されることが決定。アングストローム出版の社長が情報漏洩を怖れ、各国から9人の翻訳家を集めて地下空間に監禁。インターネット禁止で携帯電話など外部と連絡が取れるようなツールなどは、翻訳家たちからすべて没収されたというのに、『デダリュス』の冒頭10Pがネットに流出してしまい、そこから犯人捜しがスタート。
ミステリーの謎解きとしても、もちろん楽しいのですが、フランスの豪邸屋敷の地下に個性あふれる9人の翻訳家たちが閉じ込められるというシチュエーションだけで、わくわくしてしまいました。フランス語を中心として、さまざまな言語が飛び交い、快い知的な興奮を感じました。(英語はちょびっと単語を知っているだけで、他の言語は何をいってるかほとんどわからないけれど〜) 『デダリュス』作中のレベッカを意識して白いドレスをまとったオルガ・キュリレンコが美しい。スキンヘッドにタトゥーの黒い革ジャンのおねえさんもかっこよかった。1人で作業がしたいとごねるギリシャ語担当の年老いた翻訳家にも優しかったし。
金と地位に執着した俗物社長 対 文学に深く傾倒した小説を愛する者との闘いか?
登場人物が多い中、これだけのミステリーを2時間以内にまとめてあるのがすごいです。すべてのキャラクターを掘り下げることは難しいけれど、しゃれた群像劇でもあると思います。
動画サイトでのレンタルで観たのですが、いいところで、サイトの不具合なのか固まってしまい中断。(T_T)残念 それゆえ、★印は3.5になりました。
<備忘録>
英 語…アレックス・グッドマン(アレックス・ロウザー)
スペイン語…ハビエル・カサル(エドゥアルド・ノリエガ)
ポルトガル語…テルマ・アルヴェス(マリア・レイチ)
イタリア語…ダリオ・ファレッリ(リッカルド・スカマルチョ)
ギリシャ語…コンスタンティノス・ケドリノス(マノリス・マヴロマタキス)
デンマーク語…エレーヌ・トゥクセン(シセ・バベット・クヌッセン)
ドイツ語…イングリット・コルベル(アンナ・マリア・シュトルム)
ロシア語…カテリーナ・アニシノバ(オルガ・キュリレンコ)
中国語…チェン・ヤオ(フレデリック・チョー)
出版社社長…エリック・アングストローム(ランベール・ウィルソン)
エリックの秘書…ローズマリー・ウエクス(サラ・ジロドー)
書店店主…ジョルジュ・フォンティーヌ(パトリック・ボーショー)
コメントありがとうございます。「鳥」もデュ・モーリアですね!知らなかった!鳥が苦手なのでコワーイ!と手で顔隠しながらヒッチコックの「鳥」よくテレビで見ていました、子どもの頃。