「謎もいいし、観せ方もいい」9人の翻訳家 囚われたベストセラー Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
謎もいいし、観せ方もいい
クリックして本文を読む
世界的ベストセラーの完結編を翻訳するために集められた9人の翻訳家。原本は厳重に管理されて、絶対に流出しないはずなのに、何故か一部が公開され「金を払わないと続きも公開する」という事態にっていう話でね。
謎解きも入り組んでて面白いんだけど、その観せ方がうまいの。事件が起きるか起きないかで、時間を二ヶ月後の翻訳完了時点にとばすんだよね。警察で出版社社長が誰かと面接してて「犯人は捕まったんだな」って思うの。
「誰だろう?」って思いながら観てくと、また警察のシーンで、あっさり「こいつか!」って顔を出すのね。そして、そこから続くドンデン返し。
事件に戻って、ドンデン、また事件に戻って、ドンデンで観てて飽きないし、一つ一つが「なるほど!」と納得感あるのね。良く練られてる。
最後の謎も「そうだったのか!」とオープニングシーンの理由も解って良かった。
途中で、ローズマリーっていう出版社の社員が、原稿を公開する遠隔操作用のパソコンにたどり着くの。でもそこに、出版社社長にローズマリーが叱責される写真が置いあって、「この社長には従えない」ってローズマリー裏切んのね。
犯人側の「ここに来るのはローズマリー。この写真でパソコン破壊を思い留まるはず」っていう先読みがカッコよかったな。
犯人側の動機は納得なんだけど、それでも犯罪を敢行したために、犠牲者が出ちゃうんだよね。そこが、やっぱり、犯罪じゃなくて、他にやり方なかったかなって思わせんの。
あと普通は「こいつは怪しい」っていう奴は絶対に犯人じゃないんだけど、そこを外してくるのもうまくて面白かったよ。
コメントする