「【自然、動物描写良し。妻子を疫病で亡くした生ける屍状態だった男が、自分自身の存在意義を再認識し、前を向く姿良し。だが・・。】」鹿の王 ユナと約束の旅 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【自然、動物描写良し。妻子を疫病で亡くした生ける屍状態だった男が、自分自身の存在意義を再認識し、前を向く姿良し。だが・・。】
ー 上橋菜穂子の本屋大賞を受賞した長編ファンタジー小説原作のアニメーション映画。ー
◆感想
・今作は、原作を読んでいないと、内容について行くのはきついのではないかな・・、と正直思った。
・フライヤーを読んでも、(原作も登場人物が多いが、小説なので自分のペースで咀嚼しながら読み進めるので、問題ない。)登場人物の相関関係の複雑さと、意外に淡々と進む物語がやや、単調に思えてしまう。
(主人公のヴァンと、身寄りのないヴァンの生きがいになったユナと、黒狼熱(ミッツァル)の謎や解毒薬を求める医師、ホッサルの関係性は余り問題ない。)
・劇中、時折使われる言葉”ドンカク””玉眼来訪”(フライヤー見て、書いてます・・。)なども、ナカナカに鑑賞側を混乱させる、もしくは良く理解出来ないが故に、今作を退屈に思わせてしまっていないかな・・。
・チョコっとだけ登場する犬の王、ケノイを始めとした、アカファ王国と、ツオル王国の登場人物たちの位置づけも又、やや分かりにくい気がする。
<自然や動物描写は素晴らしいし、ヴァンや狩人でヴァンを狙うサエのような哀しき過去に捕らわれた人々が、徐々に心を解き放って行く姿は良かった。
だが、もう少し物語に緩急を付けるとか、カット割りの仕方とか”説明ナレーション”の箇所に工夫が欲しかったな。
故に、作品自体が単調に思えてしまったのである。(重いテーマを扱った重厚な物語なのに・・。)
彼の大長編を2時間に纏める難しさは重々承知の上で、申し上げる次第である。>
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