「1クールのTVアニメなら上々かな~って感じ」BLACKFOX 思いついたら変えますさんの映画レビュー(感想・評価)
1クールのTVアニメなら上々かな~って感じ
アメコミチックなタイトルと締め、外国受けのいいニンジャモチーフから、海外を向いた和製スーパーヒロインにしたかったっていう意図を感じる。ただ…どうも一本の劇場オリジナルという風情、ニンジャモチーフに期待する和な熱い演出、どっちも味わえなかったなって。
メインディッシュであろうバトルの疾走感はかっこいいんだけど、それにのめり込むための舞台装置がな~んかピント外してるというか…パースがすごい平坦な背景、何かとすぐ抱きつく主人公のあざとデザインな幼女時代と「あ…何か底が見えてきた」な導入で嫌な予感がして、以後は観客の予想を何一つ裏切らない展開を「まさかそんな意外な事になるトわぁぁ!」的な演出で見せられていくうすら寒さ…敵の正体とか一目でわかるよ!!!
犬との会話は軒並みいいんだけど、ほか二匹の口喧嘩設定は持て余してる感ばりばり。気の利いたギャグに繋がるんならわかるんだけど、脚本が生真面目すぎて「特別面白いことを言ってないんだけどギャグの体裁をとってるギャグ風シーン」が頻発する。ノルマじゃないんだから省いてもいいよそういうの…
もしかしてこれはTVとして企画されたもので、なんかの事情で枠が取れなかったのを再構成した作品なのかなという印象。エピローグでいきなり同居人が三人目のヒーロー面で並んでるのとかモロそんな感じ(「このキャラ余分なのでは…」という疑問がずっとついて回る。)。
まとめると「キャラデザはかっこかわいい、バトルもまあまあ、でも全てが月並みでバトルに乗り切れない」そんな映画でした。月並みが悪いことじゃないし、むしろ質のいい月並みなら「王道」と褒められるんだけど…何なんだろうなぁ。本来ならキャッチーな筈のキルラキル的センスの日本刀型タワーが全然ハートに響かないのがすべてを物語ってる気がする。