劇場公開日 2019年10月11日

  • 予告編を見る

「4人の心情が丁寧に描かれた良作」空の青さを知る人よ hi02さんの映画レビュー(感想・評価)

4.04人の心情が丁寧に描かれた良作

2024年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

あおいが幼い時に、両親が死んだ。
姉のあかねは、その時まだ高校生。
彼女は頑張って、あおいを育てていた。
ヤングケアラーと呼ばれていただろう役割を、きっちり果たしていた。

そんなあかねは、同じ高校に通う同級生、
バンドでギターをしていた慎之介と付き合っていた。
慎之介は高校を卒業したら、一緒に東京に行こうと誘った。
あかねは、あおいを理由に断った。

13年後、あおいは高校3年生、あかねは31歳となって市役所で働いていた。
ある時、市で音楽祭を開くことになり、
慎之介が街に戻ってきた。

慎之介はバンドをやめており、演歌歌手のバックギタリストになっていた。
音楽でご飯を食べられるようにはなっていたが、
スポットライトを浴びるスターにはなっておらず、やさぐれていた。

あおいは幼い時からベースに興味を持っており、山の寺で日々練習していた。
いつものようにそこに練習に行くと、
そこには東京行きを断られた高校3年生の慎之介がいた。

あおいは高校生の慎之介と接する中で、
慎之介に惹かれていき…。

あおい・あかね・31歳の慎之介・高校生の慎之介、
奇妙な4角関係の物語が展開されていく。

なぜ、この話に高校生の慎之介が出てくるのか。
それはあおいが直に高校生の慎之介と接することで、
あかねがどんな人に惹かれたのか、どんな思いで東京行きを断ったのか、
あおいにダイレクトに感じさせるためであろう。

4角関係の中で、あおいと高校生の慎之介のみが活発にコミュニケーションを交わし、
それを起爆剤として、他の関係のコミュニケーションが活発になっていく。
それに伴って、それぞれの仕事や進路も少しずつ進んでいく。

4人の心情が丁寧に描かれており、素敵な作品だった。
あいみょんのテーマソングも素晴らしかった。

しかし、Wikipediaによると、興行収入は6億円。
成功ラインは10億円と言われており、
こういう良作がきちんと売れるようになってほしいな。

hi02