「消化不良」空の青さを知る人よ kuuruさんの映画レビュー(感想・評価)
消化不良
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ベタベタな恋愛ドラマの設定にちょっとファンタジー要素を加えた設定が定番の秩父シリーズですが、今作は設定が消化不良になっている印象を受けました。
まず慎之介の生霊(しんの)が明らかに実体を伴った存在として描かれているのに、いきなり空飛んだり生き埋めになったあかねをあっさり助け出したりやりたい放題で、もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな状態。
しんのの影響で周りが動き出すとかではなくホントに全部解決しちゃう上、全編通してしんのアゲが凄いので、岡田女史の理想の男性像なんじゃないかと邪推しちゃいます。
話の軸は慎之介、あかね、あおいの三角関係ですが、描写の比重が明らかにあおいに偏っており、先述のしんの無双も相俟って慎之介とあかねの心情の変化が分かりにくく、二人がよりを戻すことに説得力が感じられません。そもそも大人慎之介、あかねとあおいに割と酷い事してると思うのですが、その辺のフォローとか一切無かったのも酷い。
そして終盤の見せ場かと期待していたライブシーンはEDで一枚絵があるだけでまさかの描写無し。ガンダーラやら慎之介のソロ曲やら匂わせておいて本番無いのかよ!って突っ込みたくなりました。というかライブのリハーサルシーンがあって本番が無い作品って斬新過ぎるでしょ。しんのとあおいが空飛ぶシーンとか要らんからライブシーン描いてくれ。
兎に角土砂崩れ以降の展開が酷く、なんとも言えない後味を残す映画でした。
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