「感動ゴリ押し激サム映画」空の青さを知る人よ ニックビーさんの映画レビュー(感想・評価)
感動ゴリ押し激サム映画
はっきりいうと感動ゴリ押しの大作邦画(例:ルーキーズ)と作品のテイストは大して変わりません。
問題点を下記に列挙しました。
①盛り上げシーンで感動できない
わかりやすく「ここで泣いてください!!」みたいなシーンがいくつかありますが感動気なBGMを使い(あいみょんの曲もこんな使われ方してます)無理矢理盛り上げているだけでキャラクターが自分の内面を大声で長々と叫ぶダサいセリフがあるだけでこちらは置いてきぼりを食らうだけです。演出、脚本全てにおいてダサいです。
特に脚本は致命的に練り不足感があります。
②キャラに魅了なさすぎ
この手の映画はまずはキャラの魅力で見せなければいけないと思いますが、これが誰1人として魅力的なキャラがいません(強いて言うとしんのすけくらいです)
あおい・・・行動原理が一貫せず終始感情移入ができない。主役にすることによって物語のテーマを無駄に増やしているだけに見える。
あかね ・・・あおいを苦労しながら大切に育ててきたという割りには「東京に出て、バンド組んで食っていく」というどう考えても無茶な進路になんかやんわりとしか反対していないところを見ると関心がないようにしか見えない。「こんなお姉ちゃんがいたら最高だよね」という気持ちの悪い妄想を詰め込んだ人形みたいなキャラ
みちんこ・・・息子の前で母親は浮気して俺を捨てたクソ野郎だ的な発言をする善人のフリをしたサイコパス
つぐ・・・どう考えても小学生には思えないセリフに全く説得力がないし、あおいに惚れた瞬間や理由がないため非常に薄っぺらいキャラ
③音楽フェスどうなったの?
かなり序盤から振られていた音楽フェスがとってつけたような「崖崩れにあかねが巻き込まれた案件」にクライマックスシーンを取って代わられているところはどう考えても不自然だし、あれだけ練習シーンを積み重ねていたのに本番を描きもしない点は製作段階で何か問題があったのではと思ってしまうほどです。ここにはもうあきれるほかありません。
④大事なことはセリフでわかりやすくお伝えする
基本的にキャラが内に秘めている大事なことは全てそのキャラ自身が大声で叫んでくれます。よく言えば親切、悪くいうと単調、演出力不足、単純にダサいです。
私は悪くとりました。「あの花」を見たときにも感じたダサさですが、今回はそれがより凝縮されて背筋凍るような瞬間がいくつもあります。10年くらい前に見たノリをそのまま何1つとして進歩させずにそのままやっているので今見るのは正直辛かったです。
まだまだダメなところを挙げればきりがない映画ですが、吉沢亮さんの演技の切り替えは素晴らしかったです。