「恋愛を軸にした姉妹愛のお話」空の青さを知る人よ edamondoさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛を軸にした姉妹愛のお話
井の中の蛙 大海を知らず、
されど空の青さを知る
ことわざ的には周りが見えていなくとも一つのことを突き詰めればその深いところまで知れるという意味ですが、個人的には空の青さは人生における大切なものではないかなと思いました。
今回のお話はその空の青さを主要人物みんなが見つけるシナリオだったと思います。
あかねは両親が亡くなって東京に出ることができなくなった井の中の蛙、ですが、あおいと2人でつつましくも楽しく生きていくという空の青さを知っていた。正直お姉ちゃん半端ねえと思います。
慎之介は東京にでて人生の厳しさを知ってもなお夢をずっと追い続ける井の中の蛙、でも戻ってきて人生を振り返って空の青さを知る。
あおいは東京に出てバンドをやることしか見えていない井の中の蛙、しかしシンノと出会って世の中には色んな青いものがあると知る。
シナリオはコンパクトにまとまっていながらも深みのあるお話だったと思います。学生から30代ぐらいの人々に見てほしい作品ですね。
あと個人的に注目してほしいのが音響です。イヤホンをつけるシーンやバンドシーンなどこだわりのあるサウンドになっていると思います。
合わせてベースやギターの演奏シーンの作画ど動画も素晴らしかったです。
そして今回一番驚いたのが俳優さんの声当てがうまい。本当にうまかった。最近、ネームバリューで俳優を起用した劇場アニメーションが多く、違和感のある演技の人が多かったですが、今回は本当に良かったと思います。特にシンノと慎之介の対面するシーンでも声の使い分けがしっかりされており驚きでした。
ただ個人的に少しだけ惜しいと思ったのが主題歌です。あいみょんの歌詞と歌声はとてもあっていて良かったのですが、サビの盛り上がりが少し弱いせいで映像の盛り上がりとマッチしていなかったような気がしました。
マリィらしい最後にジーンとくるような大変しみ入る作品でした。