「素直な気持ちこそ無限の可能性」空の青さを知る人よ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
素直な気持ちこそ無限の可能性
非常に温かく勇気を与えてくれる作品ではないか。
この作品に出てくる登場人物の多くのものが自分の気持ちに素直になれず、心は苦しんでるんだよね。
ただ決して素直でないことが自分勝手なわけではなく、人のために押し殺してるわけだからとても感情移入しやすい。
そんな中過去から18歳のしんのが現れるわけだ。彼にとっては未来なんだが、作品の時間軸でいうと過去に当たり皆が失いかけてる素直で真っ直ぐな気持ちを持っている。その姿にあおいが変わり、正嗣も変わり、そして現在の慎之介やあかねが変わっていく、まぁストーリーとしてはわかりやすく王道だが、とても見ていて共感を生む。
特に過去のしんのと現代の慎之介がぶつかり合うところは素敵だ。人って中々変わるのが難しい。変わる事が正しい、自分にとってはプラスと分かっていても中々その一歩が踏み出せないものだ。じゃあどういうきっかけで変わるか、
もちろん愛する人や、友達、家族だったり外的な部分から変わる事もあるが、やはり最後は自分自身なんだよね。
どんなに人から影響されようが、自分自身が心から納得しないとやはり変わる事はできない。
過去の自分とぶつかる事が本当に出来ればどんなに幸せな事なんだろう。きっと彼らは幸せだったのではないか。
その瞬間から慎之介も吹っ切れ素直な気持ちになり、あかねのために行動しはじめ、最後は皆んなが自分の気持ちに素直になりエンディングでは皆んなが幸せな姿に見えた。
あおいが素直にしんのに気持ちをぶつけた後、しんのが外に出て空を飛ぶシーンがある。
そこで素直な気持ちこそ、無限の可能性を秘めてる事を感じた。
まぁ今の若い子たち皆が皆ではないと思うが、やはり内向的だったり自分の気持ちよりも相手のことや周囲の環境を優先し、いわゆる空気を読んだ行動言動は多い気はする。
もちろんそれはそれで大事だが、やはり自分の気持ちに嘘をついては可能性は薄れてってしまう。
素直な気持ちが常にプラスと出るかはわからないが、仮にマイナスに出てもそこから省みることはできるのではないか。自分の気持ちを偽ることからの失敗はなにも生まれないの様に思える。
劇中であかねがまだまだ31歳は若いよ、これからだよという言葉がある。
年齢含め自分で可能性に蓋を閉じず、素直な気持ちこそ大切だということに改めて気づかせて前向きに劇場を後にすることができた。