「【単調な会社生活と行き詰った家族関係に閉塞感を感じていた中年男は思った・・。”♬生きてるって何だろ、生きてるってなーに♬”By ファンク兄弟のテーマの”アレンジ”が脳内に流れた作品。】」シンクロ・ダンディーズ! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【単調な会社生活と行き詰った家族関係に閉塞感を感じていた中年男は思った・・。”♬生きてるって何だろ、生きてるってなーに♬”By ファンク兄弟のテーマの”アレンジ”が脳内に流れた作品。】
ー今作公開前、フランス映画の「シンク・オア・スイム」を楽しく鑑賞。数か月後に、ほぼ同じテーマを扱った劇場公開された今作を”物理的制約もあり”劇場での鑑賞を見送った・・。
今作鑑賞後の極私的結論:”しまったあ・・、劇場で観たかったなあ・・。”
■簡単な粗筋
・会計士として単調な毎日を送るエリック(ロブ・ランドン)は地方議員に当選した妻ヘザー(ジェーン・ホロックス)が生き生きとして生き、同僚の議員との仲を邪推し、拗ねて家出する。
-しょーがないなあ・・、エリック。ちょっと、格好悪いぞ。-
・そんな中、エリックは公営プールで中年男性達のシンクロチームと出会い、得意の数学を駆使しつつ、シンクロの面白さに目覚めていく。
■今作の魅力
1.個性的なシンクロメンバーのキャラ立ち
・リーダー的立場のイケメン、ルーク(ルバート・グレイブス:妻と離婚し、慰謝料を取られ、しがない船上暮らし。幸せだった頃の娘達との写真をさり気なく、船内に飾っている・・。)
・最年長、テッド(ジム・カーター:良く出演をOKしたなあ・・、良い)
・謎の青年トム(何故か、保護観察中)とトムの保証人でぽっちゃり体系のコリン(ダニエル・メイズ:「フィッシャーマンズ・ソング:良作です。」で、漁師たちの人柄に触れ、目覚めていく都会の音楽プロデューサーを好演していた・・)
2.単調な日々を送るエリックの姿の描き方
・妻との関係性が、ギクシャクしていく。息子からも・・。
・日めくりカレンダーを使った、無為な日々の描き方。
- 笑顔がないロブ・ランドン演じるエリックの無気力な姿。顧客にも暴言を吐き、職を辞す。”辛い日々だな・・、若干自業自得な感はあるが・・”-
3.シンクロチームのルール
・全てはプールの中で
・私生活を持ち込まない
・個の力がチームの力
- 良いなあ・・。良い組織の鉄則である規律規範を保つキーワード・・-
4.彼らを率いるコーチ、スーザン。シンクロのトップ、スェーデンチームの選手が恋人。最初は優しいが、徐々に熱が入り・・。
◆そして、彼らは”非公式ながらも開催される)男子シンクロ世界大会に臨むのだが・・
・試合前の緊張感漂い、悲愴な意見を言うメンバーも出る中、彼らに生き甲斐を授けられたエリックが言った言葉
”妻からも、息子からも、仕事からも逃げてきた・・。けれど、みんなは逃げない方法を教えてくれた・・”
◆世界選手権後の彼らの姿も良い。
・ルークはスーザンに勇気を出して・・。手荒い仲間たちの祝福。
・エリックも、公共図書館を守ろうと頑張る妻の前で、仲間たちとパフォーマンスをする。驚いた妻ヘザーが、彼に取った行動・・。
<中年の危機を乗り越えようとする、おじさんたちが頑張る姿が可笑しくも、なんだか心に沁みた作品。>
■蛇足
・冒頭に記載したように、今作の少し前に劇場公開されたフランス映画の「シンク・オア・スイム」と見比べると、何となくお国柄の違いが分かるような気がします・・。