脂肪の塊のレビュー・感想・評価
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主人公が不快
臭いものには蓋、嫌なことは全て他人任せでメンヘラが過ぎる主人公に終始イライラさせられた。
恋人(女)が居るのに何故かヒモのような男とも繋がっているし、そんな主人公の不誠実さが登場人物全ての不幸を呼んでいる気がする。
主人公カップルやキリスト教狂信者、ヒモ男のバックボーンは全く語られないので、なんだか分けのわからない狂人たちがグチャグチャになって終わった、という印象だった。
語るべきところを省いている割にエロシーンばかり頻繁に挟まるのも、個人的には嫌いな要素。
ギリギリ、主人公の恋人だけは愛ゆえに「頑張っている感」があって嫌悪感は少ないが、結局これって共依存ってやつだよなぁと。
オチも、そんな綺麗な風景で誤魔化しても何も解決してないよな、と思うと全くスッキリしなかった。
もっとレズビアン故の苦悩とかが描かれてるのかと期待していたのに酷くガッカリ。
ゴリゴリ“スプラッター”
ガチのゴア表現満載のホラー作品である。前回の監督作品に強く興味を抱いたので、次回作である今作に多大なる期待を持って鑑賞したのだが・・・
構成とすれば、結果を先に披露し、その原因を後から振り返るという常套手段のシークエンス群である。なので、冒頭からガンガン殺人が行なわれ、その演出効果も、映像カラーリングも“青”を強調したり、ずっと流れる重低音のBGM等々、過剰さがてんこ盛りの造りなのである。バラバラ死体の出来も、頭こそみせてはいないが、相当細部まで作り込まれたリアリティを感じる。
そう、このゴア表現を徹底的に追求した技術先行型の作品なのである。なので、今作のストーリー部分は前作ほど煮詰めていない。単純に言えば、同性愛の片方の女がバイでもあり、DV男と付合うが、暴力をふるわれ、逆に殺してしまう。嘗てのDV男と付合っていた女のストーカーが、殺してバラバラにして埋めた男の死体を掘り起こし、ショックの余り記憶を消失してしまったバイの女に事実をみせ、またしてもその女はストーカーを殺す。結局この女の恋人である女と焼身自殺をするという、まぁハッキリ言ってだれも救われない闇要素だけの展開である。理不尽要素がないため、誰かに感情移入する部分もなく、唯々不合理に人が殺されるだけであり、濡れ場でも決して下着は脱がない“鉄壁”演出に残念ながら白けるだけである。そしてやたらと出てくるオフィスシーンの無意味さ。ストーリーの本線に一つも絡まない日常性を意図したかったのだろうが、緩急の付け方が響いてこないのが正直なところである。
あれだけ登場人物のいろいろな頭を打付けられても、演技や演出がないのか、しっかりと次の行動に移るというリアリティの無さや、それぞれの背景の希薄さ(男の母親が潔癖症ということでの家庭内暴力は、せめてその回想シーンを用意できなかったのか)等、はっきりとドラマ性をバッサリ切って、効果に特化した印象を強く受け止めた。
これは作品とは関係ないが、作品の一つの山場で、機器の不具合か映像のストップとスキップが発生して、益々映像に対する興味が萎んでいくのを隠せない。
折角才能に富んだ監督である筈なのに、今作は運にも見放されて、“残念”と言わざるを得ない内容であった。
グレナデン
血が垂れるポリバケツの夢を毎晩みるという悩みを持つ女性の話。
日々ポリバケツに近づいていきとうとう蓋を開ける夢になったと同性の恋人に相談する主人公。
というところから不穏な出来事が重なって行き、その後遡って行く展開だけれど、真相部分を憶えていないのは有りとしても写真をみて知らない人ということはないだろうし、そもそもDVD観た時点で通報ものだろうに。
登場人物の関係性やどういうことか、何があったかはわかるけれど、サスペンスとしてはちょっとムリがあって、どちらというと文学チックにみせたかったのかな。
つまらなくはないけれど面白さや衝撃よりも面倒臭さを強く感じた。
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