「一瞬のようで、刹那に長い時間…」夏、至るころ aco_5030さんの映画レビュー(感想・評価)
一瞬のようで、刹那に長い時間…
誰しもがそこを通り過ぎて行く。
過ぎてしまえば一瞬のようだが、なんとも言い難い長い時間。自分がが何者になっていくのか。焦燥感、期待、
不安、孤独、自立…。なんとなくが目に見えない未来がどんどん押し寄せてくる、あの切なさ。
田舎町での生活。どんどん自分を見つけて動き出す
周りの友人達。浮き足立つ周りに自分だけが取り残されていくたまらない不安と脱力感。
誰もが似た経験をする息苦しい夏。
何にもない町だから考えてしまう将来。
何にでもなれる若いエネルギー。
大人でも、子供でもないどっちにも行けない高校生の
モヤモヤが痛い。
そこで、ある少女に出会い自分を客観視する。
主人公にだけ寄せることなく、まるでその場に自分も
居合わせているような錯覚を覚えるカット。
あの蒸し暑い夏の空の色、抜ける風、夜のプール。
何処となく懐かしく感じました。
この世代にも共感できるし、通り過ぎた大人にも
あの少し苦しくてより生きてる感じが色濃い卒業間近を
思い出す。青春を感じる作品です。
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