「【切ないけれど、とても風合の良い、”一途な男の”恋物語。物語構成の妙なる事にも、魅入られた作品である。】」僕の好きな女の子 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【切ないけれど、とても風合の良い、”一途な男の”恋物語。物語構成の妙なる事にも、魅入られた作品である。】
■僕の好きな女の子と僕との関係性は・・
・駅で待ち合わせをしたのに、改札口から出て来ずに、一つ前の駅で降りてコッソリと僕の背後に忍び寄って僕を驚かせようとする・・。僕はそんな彼女の行動に、直前まで気が付かないフリをしてあげるのだ。
そして、彼女は柑橘系の結構大きめのビンに入った飲料を差し出してくる。自分のも含めると二本も持って・・。
・”いつも革ジャンでフォークを歌っている髭の男がいる”公園に行って、他愛もない話をしていると、男が小さな男の子を連れて僕らの元に歩いて来た。
”この子、迷子になったみたいなんですけど・・”
二人でお母さんを探して、漸くお母さんが見つかった時に、男の子から
”おまえら、付き合っているのか!”
と言われてしまった・・。
僕は嬉しかったけれど・・。
・急に呼び出されて、夜中の広場に行ってみると、知らないおじさんのヘルメットを被って、ニコニコ笑って、小型のショベルカーの運転席に座っていたりする。
そして、危なっかしげにショベルカーから降りて、工事の柵をコレマタ危なっかし気に乗り越えて、僕の所にやってくる。
僕はそんな彼女のために、ジュースを買ってポケットに入れて置いたのだが、渡すタイミングが計れない・・。
・その後、二人で割烹料理屋さんで飲んで帰るときに、ニコニコ笑って僕の靴を履いていってしまう彼女。
返してくれない。
・彼女は写真家を目指していて、友人と個展を開いた時に手土産のケーキ(チーズケーキと、なんだっけ・・あ、ガトーショコラ。)を持って行ったときにも、僕は渡すタイミングが上手く計れない。
彼女の友人からは”加藤さんてメンドクサイ人でしょ・・”と言われてしまった・・。
・ある日、彼女は少し寂し気に”彼に振られた”と教えてくれて、僕はちょっとドギマギしてしまったのだが、後日、”新しい彼が出来た!”と報告してくれた・・・・。
・そして、彼女は僕に新しい彼をいつもの公園で、紹介してくれた。三人でカレーを食べて、湖でボートに乗った。僕は独りで・・、彼女は新しい彼と二人で・・。
僕は、一生懸命楽しいフリをしながらこぎ続けた。
ー 新しい彼(仲野太賀)は、”僕(渡辺大知)が美帆(奈緒)の事を好きだと気づいて”そのことを彼女に告げるシーン。
驚く美穂。
彼は”お前なあ・・、気が付かなかったのか・・”
泣き出す美帆。 ー
【 僕は、彼女の事がとても好きなんだけれど、彼女は僕の事は友達だと思っている。
多分、永遠に・・。】
<少し切ないが、風合のある恋愛映画である。
”劇中劇”の使い方及び
”彼女と別れた僕が、その後成長し「良い人」を卒業した事を暗示する”
ラストシーンを含めた作品構成も、良い。>
<2020年11月1日 刈谷日劇にて鑑賞>