パリの家族たちのレビュー・感想・評価
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登場人物のセリフ・感情・表情すべてが心の琴線に触れる
この作品に描かれる登場人物は、母でありながらも女性性をずっと持っていて、一人の人間として自己実現をしようと奮闘する人たちだ。主に”母”がターゲットになり、様々な境遇・主張を持っている女性が現れるが、それは私たちが日常を過ごしていて出会う風景そのものだったりする。我慢して言えなかったこと、伝えられなかったこと、それがこの映画ではすべて代弁されている。
そしてさらに、この映画では子供の心も描かれる。それは”母”に対する憧れ、”母性”としての対象であり”女性性”ではない。親子の間にある概念と理想のずれは、どの国、どの世代の親子にも生まれる溝であると思う。しかしこの溝を埋めようと歩み寄る行為そのものが、愛であることを思い知らされラストは、本作の登場人物たちの思いが大きな母と子の集大成として完結するのだが、見事な締めくくりであった。
涙なしには観ることができない、壮大な家族賛歌の物語。心の1本になった。
少し難しいかな
パリのそれぞれの家族の問題点、事情、喜怒哀楽などをある意味ドキュメンタリー風(そうは感じませんが)に淡々とお話が続きます。
自分の子どもとの対立、認知症の母親の面倒、子育てと仕事、人間関係など、それぞれのケースを女性視点というか女性の立場から見せてはお話が続きます。
まず、強いて言うのなら、それぞれの家族の日常を淡々と描いている事から、ある意味、お話の筋があるような無いような、色々な立場の方が出てきますが、数が多いかな・・・・
数をもう少し少なく一人ひとりをもう少しくどく見せて行けば、本作品の魅力が増したかな・・・・
しかし、それぞれの問題や観点は、自分自身や自分の家族との関わり、友達の関わり、色々な人たちとの関わりと降りかかるような事なので、考えさせられる事もありました。
本当に、最後のラストに、物悲しさなシーンがありましたが、自分の母を思い出して考えるのなら、少しやりきれません・・・・
映画の趣旨というか、内容が、少し分かりづらい作品ですが、本作品、見る人の自由な感性で解釈するといいと思います。
母の存在
試写会にて。
いくつもの家族のかたちが同時進行で描かれて、一件バラバラな話にみえて何処かで接点がある作品。
母親の人、これから母親になる人、母親にはなれない人、母親にならない人、人の数だけパターンがあり何かしら自分が共感できる人を見つけるのも面白いかもしれません。
女性は生まれながらに母親ではないし、365日、24時間毎日巡っても毎日が新米なんだよ!って初心を忘れないようにしたいと思いました(*^ω^*)
母と子のパンドラの箱オムニバス❣️
色んな母と子が、パンドラの箱から、わんさかでてくる、あるいみ、ドキュメンタリーみたいな映画だった。
後半、三人姉妹と認知症の母との、とある場所での食事シーンの演出。その内容は、胸が痛くなって、今までモノクロだったのが一気にカラーになるかのようなシーンだった。そこではじめて映画の意味が動きはじめ、伝わりはじめて、クライマックスにつながるシーン。そのシーンが印象深い。
マザコンの男の子とママの対応はコメディ。また、大学生と付き合ってる女教師が、バスの中で子供泣かすとことか、若い彼氏の友達たちとの食事で切れまくる、彼女の心は笑える通り越して、イタかった。
ラストス空からダイビングするおばあちゃんいるんだけど、あれCGなんでしょうか?ほんとうに飛んだとしたら、😱。すご〜い。
いろんな、いろんな、母と子のオムニバスがフランス風に描かれてました。
母が年を取っても、亡くなったとしても、自分の中での母の存在は、子供のときにうける、絶対の存在なんだ‼️と感じます。そして、それは、色々違えども、世界共通。時代を経ても共通な認識だと教えてくれる映画だと思います。「日本の家族たち」を、日本の役者で観てみたいです。
現実的
色んな人が出て来て、それぞれの問題があらわされ、それぞれもどこか接点を持つというタイプの作りなのだが、この人のエピソード、必要だったかなぁというところもあり、そういうのを落として、
もっとメインの人たちに関するところ、突っ込んでもいいと思った。
表面的な描写が多くて、幅広いと、深いところが通じにくい。人生経験豊富な人なら想像できても、心理が読めないところもありそう。
深いところに踏み込まず、見る人に考えさせたいのか。
それにしてもフランス人女性は、歳とっても魅力変わらないとかフランス男性は成熟した女性が好きという一般論があるが、
実際のところ、やはり年取ると大変、アラフィフは、もがいてる、そして若くはないということが現実的に表れていて、そこはフランスも時代が変わりつつあるのだなぁと考えさせられた。
子育ての不安、介護の不安、子供のいない独身女性の不安など、
現代の不安づくしで、感動作ではなかったが、共感は呼ぶ作品だと思った。
リアルな描写に共感
様々な女性、母親、恋人、家族の姿がリアルに描き出されていて、観たひとは、誰しも共感できるところがあったのではないだろうか。
今のところ私の人生に一番起こり得そうなのは、三姉妹と母親の介護問題シーンだった。
前に私の母親が病気で倒れたとき、病院で先生の話を聞いていたら、気持ち悪くなって座り込んでしまったことがある。
当時は母親とあまり関係が良くなかったのだが、自分がショックを受けているのだと気づいて、とても驚いたのを覚えている。
「母は偉くない」って映画の中で大統領が言っていたけど…やっぱり、「母」は他のなにものにも代えがたい、偉大な存在だと思う。
もちろん、子供を産まないという選択はあるけど、でも自分という存在は、両親がいてこそ、あるわけだし。
早く親になりたいと思っていたけど、少し子供を持つことが怖くなった。
育てることがこんなにも女性に責任として重くのしかかるのか。となりで誰かに支えてもらえないと、耐えられないくらいに。
女性だけではなく、男性にも観て欲しいと思った。
そして大統領の旦那さまが本当にすばらしかった。最高。素敵過ぎる。
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