「橋本環奈が可愛いだけの映画」かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
橋本環奈が可愛いだけの映画
2019年に(悪い意味で)話題になった漫画原作の実写映画ですね。YouTubeとかで映画レビュー動画をよく見ますが、この映画について好意的なレビュー動画は一つも観たことがありません。軒並み批判的レビューばっかり。
ただ私は原作は未読、アニメも第一話しか観たことがありませんので、単純に一本の映画としてのレビューをいたします。
結論。まぁ、噂に違わぬクオリティでした。原作が一話完結の作品なので仕方がないとは思いますが、短いエピソードを雑に繋いだだけのような映画として軸がないストーリーになっていて、生徒会の解散とかオチになりそうな展開が何度もあるのに、その後にもエピソードが継ぎ接ぎされて映画が続いていくので、「長くて退屈な映画」と感じてしまいました。演出もくどいとか、無理に原作にキャラを寄せているからコスプレ感があって痛々しいとか、佐藤二郎を面白キャラとして使うなとか。批判したいポイントはいくつもあるんですが、挙げればキリがないのでここでは省略します。橋本環奈の可愛さと浅川梨奈の水着姿は素晴らしかったです。
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日本中からエリートたちが集まる私立秀知院学園。成績優秀な生徒会長である白銀御行(平野紫耀)と、文武両道眉目秀麗で大財閥の令嬢である生徒会副会長の四宮かぐや(橋本環奈)は全校生徒たちからの憧れの的であった。二人はお互いに好意を抱きながらも、プライドが邪魔して告白することができず、いつしか「如何にして相手に告白させるか」という思考に至っていた。恋愛初心者の二人による高度な恋愛心理戦が繰り広げられる。
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「一話完結の漫画」ってアニメ化はしやすいけど映画化するの凄く難しいんですよ。何故かといえば、アニメはCMとオープニング・エンディングを除いた正味20分という短い時間ですので、1話完結の漫画も映像化しやすいし、CM挟んで前半後半に分かれているので全く違う二つのエピソードを違和感なく入れられたり、最悪3~4分くらいのショートアニメのオムニバスにしてもアニメの尺なら無理なく見ることができるからです。
でも映画はそうじゃないんですよ。時間は2時間くらいあるので1話で持たせることはできませんし、CMも無いからストーリーの繋がりが無いと違和感がありますし、オムニバスを繋げるだけの作品は2時間見せられるのはなかなかキツいです。
しかしこの映画は、一話完結の作品を軸の通ったストーリーも無く、繋がりのないストーリーを違和感を残して強引に繋げ、退屈なオムニバス形式にしてしまったという映画ですね。「一話完結の漫画をどのように映画に落とし込むか」という工夫が一切感じ取れませんでした。
過去に私がレビューした作品でも「男子高校生の日常」とか「がっこうぐらし!」とか、一話完結漫画の実写映画化はいくつかありましたけど、「文化祭を成功させる」「学校から卒業する」という原作には無かったオリジナルな「映画のゴール」を用意して、それに向かって進んでいくという映画の軸がありました。何故ならそれがないと映画として成立しないからです。
本作は軸のないストーリーがオムニバス形式で特に工夫もなくポンポンと積み上げられていくだけで、映画としては破綻しています。ストーリーとして前後の繋がりがなく、「映画を観に行きました」「ち〇ちん」「花火を観に行きました」みたいな短いエピソードが繰り返されるだけ。ぶっちゃけそれぞれのエピソードもそんなに面白くない。
また、作中にちょいちょい挟み込まれるアニメーションに演者の顔を貼り付けたような映像演出も、劇中何度も出てきて結構鬱陶しい。多分撮影の手間を軽減させるような工夫だったんでしょうけど、それなら全部アニメーションにしてしまった方が絶対に良かったと思います。
あと、佐藤二郎が本当につまらない。佐藤二郎が出ているシーンは全部スベってました。過去にレビューした「ヲタクに恋は難しい」などでも感じていましたが、佐藤二郎の同じことを何度も言ったり変な言い方したりするギャグは、4~5年前までは良かったですけど今じゃもう完全に飽きられていますよね。真面目なキャラがあれをやるなら笑えますけど、佐藤二郎はもう「変な言い方でアドリブする人」っていうキャラが出来上がってしまっているので、今更佐藤二郎が変な言い方でアドリブやっても別に笑えませんよ。
そもそも佐藤二郎ってちゃんと演技できる俳優さんなんですよ。いろんな映画やドラマで変な役ばっかりやらされているせいで変なオッサンだと思われていますけど、ちゃんと演技できるんですよ。いい加減、日本の映画やドラマの製作スタッフは佐藤二郎を便利なお笑いキャラとして起用するのをやめていただきたいです。実に不愉快です。
褒められるところがあるとすれば、俳優陣の容姿です。
橋本環奈は、最近は「美少女キャラ」よりもバラエティ番組などにも登場したり体当たり演技もやる「お笑いキャラ」として注目を集める機会が増えてしまっていますが、この作品では橋本環奈をしっかりと「容姿端麗なお嬢様」という役で起用しているため、それはそれは可愛い橋本環奈を拝むことができます。
キンプリの平野紫耀くんも、明るい髪色でコスプレ感はありますが、やはりイケメンです。恋愛指南と称して壁ドンをする場面があったりして、男の私でも思わず「キャー!」となってしまうようなイケメンっぷりでした。
藤原書記役の浅川梨奈はコスプレ感のある髪型とアニメっぽい喋り方がかなり気になりましたが、可愛らしいルックスとグラビアアイドルとしても活躍するほどの抜群のプロポーションが凄まじかったです。水着のシーンとか、めっちゃ良かった。
映画としてはかなり酷い出来でしたが、ところどころ面白くて笑った部分もありますので、橋本環奈と平野紫耀が好きな方にはオススメしますよ。