神と共に 第二章 因と縁のレビュー・感想・評価
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因果応報 合縁奇縁。 地獄・恐竜・法廷・歴史・人情、エンタメ全部盛りな娯楽超大作!!
四十九日の裁きを題材にしたファンタジー・アクション映画『神と共に』シリーズの第2作。
怨霊となり騒ぎを起こしたキム・スホン。本来ならば即消滅させられるところなのだが、カンニムは彼が「無念の死」を遂げた事を主張し、裁判を受ける権利を要求する。それを聞いた閻魔大王は、開廷と引き換えにある条件を提示する…。
○キャスト
カンニム…ハ・ジョンウ。
ヘウォンメク…チュ・ジフン。
成主神…マ・ドンソク。
ウォン・ドンヨン…ド・ギョンスa.k.a. D.O.
韓国人の半分が観たとすら言われる歴史的大ヒットシリーズの2作目。
前作『罪と罰』(2017)は正直ハマらなかったのだが、今作は良い!!人情噺から法廷劇、時代劇に恐竜パニックと、ありとあらゆるエンタメ要素を詰め込んだ、娯楽の王道を征く快作!見事!
エンタメ全部盛り感、そして過去と現世を行き来する壮大な物語構造は、『マガディーラ 勇者転生』(2009)や『バーフバリ』シリーズ(2015-2017)などの、インド映画界の雄S・S・ラージャマウリ監督の作品を思い起こさせる。
本作は間違いなくラージャマウリ監督作品の影響化にあると思うのだが、ただ真似をするだけでなく、自国の歴史や現代社会の暗部と向かい合いそれを物語に加え入れることで、他に類のない独特かつ確かな強度を持った映画となっている。返す返すも見事な映画である。
本作を観ると、前作が序章に過ぎなかったことがよくわかる。完全に今回が本番。
前作で散りばめられていた伏線が本作で一気に回収されるわけだが、そのいずれもが予想を上回る衝撃を与えてくれる。
なんだかんだで人情味に溢れる人だと思っていたカンニム様が実は…とか、生意気なオレ様キャラだったヘウォンメクが実は…とか、生真面目で誠実そうな青年だったキム・スホンが実は…とかとか、前作で固定されたキャラクターに対する観念が良い意味でガラッと覆される。
こういう物語になるとは予想もしていなかったので、続編でありながら全く新しい映画を観たかのような新鮮さがあった。
新キャラクター・成主神が本作の面白さを大きく底上げしていることは言うまでもない。
マ・ドンソクはいつだって素晴らしいが、今作のMVPは間違いなく彼でしょう。実はかなりシリアスな物語なのだが、マ・ドンソクがコミックリリーフに徹してくれたおかげで、爽やかでコミカルな、とてもとっつき易い映画になっていたように思う。
神様なのに株とかファンドに手を出し、挙句大損こくというダメすぎるオッさん。マブリーの見た目も相まって、確かに漂うこち亀感。ファンドは絶対上がるんだよ!!
惜しむらくは今作で彼が消滅してしまったこと。次回作の構想もあるようだが、ヘウォンメクとのお笑いコンビをもう見れないと思うととても悲しい…😭是非とも成主神を復活させてくだされ閻魔大王さま〜。
前作の死者キム・ジャホンが常にメソメソウジウジしていたのに対し、今作の死者キム・スホンはさっぱりした男。なんたってこれ以上苦労するのは嫌だから生き返りたくないと言い切る男ですからね。
この辺りから、「ヘルコリア」と言われる韓国の窮状を窺い知ることが出来る。成主神も韓国の現状に対し批判的な発言をしていたし、娯楽大作に見えて実は結構ポリティカルな内容ですよねこの映画。
スホンがさっぱりした性格だから、映画自体もなんだかカラッとした印象を受ける仕上がりに。前作のお涙頂戴なジメジメ感が嘘のよう。前作にはハマらなかったという人にこそ今作を観てほしい。マジで全然違うから!
映像面の美しさも見どころの一つ。
今作では1000年前の高麗と女真族の戦が描かれるが、この時代劇パートの美しさがとにかく素晴らしい✨
耽美的でありながら、ちゃんと泥と血の匂いが画面から漂ってくる。
この時代劇パートだけで2時間観たい!そう思えるほどの満足感でした。
一方、ストーリー的にはツッコミたいところも多い。
カンニム様、おめぇ自分のことばっかりだな!
1000年前の宿業に焦点が当たり過ぎていて、スホンの裁判がめちゃくちゃおざなりになっていたのは否めない。クライマックスとか、完全にスホンは添え物扱い…💦
それに、カンニム様に1000年間の罰が下されるのは良いとしても、ヘウォンメクとドクチュンは完全に巻き添えじゃね?
爺さんの寿命の件も何だかモヤモヤ。小学校卒業までは生かしておくって、そのあとはどうなんのよ。それって解決になってるのか…?素直に里親探したりした方が良かったんじゃね?
とまぁ、ツッコミどころは正直めちゃくちゃあるが、全体の面白さを損なうものでは無いからOKOK。
とにかく勢いが凄まじく、観客を楽しませようという活気に満ちている。
ちょっとランタイムが長く、中弛みするところもあったものの、概ね最初から最後まで楽しみながら鑑賞する事が出来た。
たった2作品しかないにも拘らず、シリーズ累計観客動員数は2700万人越え。超絶大ヒットも納得の、見事なエンタメ大作でした♪早く続きを作ってくれぃ!!
3.4白い猫
前作とは違ってメインは時代劇。現代版では非常にチャラい使者護衛の過去が明らかになる。そのかっこよさと、そことつながるのかという感じが心地よく感じた。
クライマックスの白い猫が首掛けを渡すところは、まじで感動的だった。
返り血すら浴びない白い猫が真っ赤になっているのも表現としてよかったと思う。
ただ前作との新鮮味が薄れ、肝心の貴人が陳腐化しており、貴人ばかりで、ちょっと興ざめにも感じた。おじいさんと孫の部分もそこまで感じるものはなかった。
「本質的に悪い人間はいない。・・・、悪い状況にあるという人が多いんだ。何かを恨めしく思ったらその対象の逆のことを考えて見るんだ」というのが印象に残った。
使者3人の過去が明かされる!
『神と共に 第一章 罪と罰』の続編です。
第一章だけ見ても理解はできますが、逆に、こちらだけを見ると、わかりづらいと思います。第一章で活躍した使者3人(カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン)の過去が明かされていきます。過去といっても1000年も前の高麗時代の話。タイトル通り、使者3人の因と縁が描かれていきます。
第一章では、殉死した消防士のジャホンの裁判で進んでいきますが、第二章では、その弟のスホン(第一章で怨霊となった)の裁判にカンニムが必死に弁護します。スホンは怨霊なので裁判は受けられないはずなのですが、「無念の死」ということが証明できれば、転生も可能とのこと。
一方、使者のヘウォンメクとドクチュンが、とうの昔に寿命を迎えている老人(ホ・チュンサム)を冥界に連れてくることも、スホンの裁判の条件とされ、2人は現世へと向かいますが、この老人宅で、老人の死の期限を延長しているのが、神さまの一人であるソンジュ神。マ・ドンソクが演じており、神さまなのに人間の姿で人間界に生きており、ファンドに手を出してお金がなくなったりで、ユーモアたっぷり。そして、このソンジュ神は、昔、ヘウォンメクとドクチュンの使者だった!というストーリーで、ソンジュ神から驚きの真実が告げられます。あれもこれも、いろいろなことが「つながって」おり、ラストも「そう、きたかー!」という因縁があり、自分としては、第一章よりも、こちらの方が見応えがありました。
ジャホンの弟は「別に現世に生まれ変わりたくない」などという面倒くさい性格で、このキャラも面白かったです。第一章もスピード感があって、地獄のビジュアルも新鮮でよかったですけど。
レンタルで見たのですが、wowowで10/29に一挙放映されるらしく、もう一度見ようかと思っています。あれとあれはどうだったかなぁ?などと、よく巻き戻して見てしまう方なんで、一度ではストンと理解できないとムキになってしまうタチなんです。
今度は弟が、そしてドンソク兄貴が
貴人には2つ意味合いが
ハ・ジョンウ過去からと思ったら
前作のツヅキ
閻魔大王登場
カンニムとスホンの裁判
あのおじいちゃんも絡むのか
屋敷神がドンソク兄貴
壺を捜せ
腕っぷしじゃなく絵画とは
千年前は使者
記憶を消されたわけは?
ドンソクが手を出せないとは
どっちも高麗武将何かあるな
投資に失敗下界株には手を出すな
女真族で子供達為に18で
弟の遺体発見
きったんの養子の弟に嫉妬
契丹
虎!白い山猫に救われた
恐竜ラプトル
ジュラシックパークや
ジュラシックワールドやん
許しを求める勇気がなかっただけ
韓国で正直に生きればホームレス
予告なしにくるもんだ
閻魔大王を証人に
山猫のストールを
悪い人間はいない悪い状況があるだけだ
過去が全てつながった
許しをもとめる時間千年
俺と同じ過ちを繰り返すな
魂の法廷
終わったと思ったらお父さんパートが
引き受けますが姿を変えて下さい
だからパート1で助けてくれたんか!
第1章よりかは劣るけど。
今回は死者を転生させてきた3人が前世でどう生きどう死んでいったかの謎ときがメイン。
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だから、前回みたいなド派手なアクションはひかえめ。恐竜とか出てくるけどもはやB級映画ですか並のクオリティ。
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そのかわり、3人の過去についての話が結構面白いからいいんだけど。良くも悪くも韓国っぽい。そこまで身内内で完結しちゃうの!?と、ちとやりすぎな気もするが。
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まぁ無駄にお涙頂戴の悲劇物語が韓国らしくていいんじゃないでしょうか。これから続編もまたやるみたいだし、楽しみですね。
罪と赦し
韓国冥界エンターテイメントの後編。
前作の話は完結したが、あのラストを受けての続きと、新たな物語が展開する。
前作でジャホンと3使者を襲撃した怨霊の正体は、ジャホンの弟スホン。
本来怨霊は消滅させなければならないが、スホンもまた貴人であり、3使者は7つの地獄裁判を受けさせる。
スホンが貴人として生まれ変われれば49人目であり、3使者も生まれ変わる事が出来る。
が、怨霊だったスホンに地獄裁判は猛反対。
そこで、閻魔大王からある条件が。
まず、スホンは無念の死か…?
一応前作で、軍の部下の誤射で死亡…とされているが、
それは無念の死か、過失か。
無念の死ならば生まれ変わりの余地があり、それを明らかにする。
それと、
現世でとっくに寿命は過ぎているのに、冥界に召されない老人が。その老人を冥界に連れてくる事。
カンニムとスホンが地獄裁判巡り、ヘウォンメクとドクチュンが現世の老人の元へ。
二手に分かれての、“冥界ミッション:インポッシブル”!
善人の兄ジャホンと違い、皮肉屋で減らず口の絶えないスホン。
手を焼くカンニムから、時にキツ~イお仕置き。
あの舟の帆にくくり付けての“人間フィッシング”はかなりエグい。
カンニム使者、お戯れを…。
ボロ家で幼い孫と貧しい二人暮らしの老人。
もう一人、同居人が。“叔父さん”と呼ばれているが、その正体は、
“屋敷神”であるソンジュ神。
この祖父と孫の余りの不幸不運さに心を痛め、見守っている。
孫が小学校に入学するまで。
ある取引をする。
ヘウォンメクとドクチュンも協力。屋敷神故人には手を出せないソンジュ神に変わって借金取りを撃退したり、祖父亡き後孫が一人で生きていけるよう児童擁護施設で相談したり。
かつて冥界の使者だったソンジュ神。ヘウォンメクとドクチュンの過去を知っている。
過去の記憶を消されたヘウォンメクとドクチュン。その過去を教える事。
ヘウォンメクとドクチュンの過去は、意外な繋がりあり。
千年前、最強の武将だったヘウォンメク。ドクチュンはある部族の娘。
千年前にも会っていた二人だが、悲劇的な関係が。さらに、二人共、ある者に殺された…。
カンニムも道中、自分の過去を話す。ヘウォンメクとドクチュンと違い、過去の記憶があるカンニム。
彼もまた千年の同時代に生きた大将軍。
亡き偉大な父の後を継ぎ大将軍となったが、生前父は血の繋がりの無い弟に目を掛けていた。
が、ある日カンニムは無念の死を遂げた…。
この“無念の死”がスホンと通じる。
スホンの死は過失とされているが、殺された“無念の死”の可能性が…。それも、信頼していた仲間によって。
現世から証人を召喚し、徐々にそれを明らかにしていく。
何故カンニムは、こんなにもスホンの無念の死に拘るのか…? 生まれ変わりに固執するのか…?
実は、自身の過去と関与する罪を罰し、“ある者たち”へ赦しを乞いたいカンニム。
自分の為ではない。犯してしまった罪の償い…。
スホンの無念の死を明らかにすると共に、自分の過去とも向き合うカンニム。
やがてそれは、ヘウォンメクとドクチュン、そして閻魔大王も関係する衝撃のクライマックスへ…!
ビジュアルのインパクトやアクションの見せ場は前編の方があった。(本作もハリウッドの某恐竜映画みたいなシーンあり)
カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン、閻魔大王の過去と関係も途中から予想出来る。
しかし分かっていても、引き込まれ、興奮と熱い感動。
何故前編での7つの地獄裁判を前後編に分けてじっくり描かないのかと思ったが、本作を見れば納得。本作は本作で大ボリュームの内容。
…いや、前編よりドラマ的に濃く、見応えあった!
前編がこの冥界ワールドの概要と、ある罪と自己犠牲の話ならば、
後編は、3使者のドラマと、ある罪と赦しの物語。
最後は後味良し。
祖父と孫。ソンジュ叔父さんのファンド、遂に遂に上向きになったし。
それに、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン、3使者のやり取りをもっと見ていたい。
事情を作るならここまでやれ
第二章は使者三人の話なの。
千年前に高麗と契丹が戦ってたのかな。そこで色々とあって、使者三人にはエゲツない因縁があんのね。それを少しずつ明かしていくのがうまい。「えー!」と何度思うことか。
ここまで練り込んだ設定を考えるのがすごい。登場人物に事情をもたせるなら、これぐらいやれよって作り手が言ってる気がしたね。言ってないと思うけど。
その事情を説明するために、現世のできごとと、裁判があるの。だから裁判は完全におまけ。
現世のできごとは「マ・ドンソク出したかったのかな?」って感じで、必然性が弱いの。「そういう人を一人ひとり救っていくのは無理でしょ」と思う。
最後の裁判できれいにまとまるんだけど、観ててね「どんなに許されないことをしても、相手が本当に自分がしたことを悔いていて、苦しんでいると解ったら、人間は許すな」と思った。人間の許す力って凄い。
千年前の話が面白い時代劇になっていて、そこに地獄の話が絡まって、もうなんの話か良く解らないんだけど、感情の動きも大きいし、エンタメとして面白かったよ。
主要キャラの過去が語られる核心パート
冒頭に、前作の粗筋が入る親切設計。
まさか前作のあの爺さんが今回の重要人物だったとは!と、初っ端から吃驚仰天(笑)
今回は、前作でもキーマンだった弟が主役!…と思いきや、弟は狂言回しのような役回りで、ダシにされただけみたいな…。まあ、彼の物語は、前作で大方語り尽くしてますもんね。
物語の二部構造は相変わらず。カンニムとスホンの地獄巡りチーム、ヘウォンメクとドクチュンの現世チームに別れ、現在の事件を追いながら、各々カンニムとソンジュ神から過去の使者達の記憶が語られていき、やがて両者が繋がって驚きの真実が…という構成は、前作同様なかなか巧みで面白い。
時代物が好きなので、過去パートのビジュアルや、互いに罪を負い合っている使者のキャラ設定も大変良かった。
裁判の経緯は今回もザルで、何をどう判断して判決を下しているのか…。もはやどうでもいい感じ。
唐突なジュラシックパークなど、突っ込み所の多さも相変わらず。
結局スッキリ解決はせず引きずる感じで終わったのは、原作が持続中だからなのか、続編への布石なのかな?
とにかく、結構楽しく見られました。
物語やキャラのバランス的にも、二作纏めて一つの作品と言えると思うので、片方見たらもう一方も見る事をお奨めしますよ。
テンポダレすぎ体感4時間
前作も脚本がめちゃくちゃ良かったというわけではないけどマブリー出るし使者三人の話も見たいしで鑑賞。
二時間半めちゃくちゃ長かった。
使者三人サイドとマブリーサイドとスホン裁判サイドがうまく進めれてなかった。
使者がメインでカンニムの罪を明かすのにスホンの裁判はいるだろうけどそれならせめてマブリーサイドいらなくない?
そもそも使者だったのに何で神様になれるの?
そこは韓国だと当たり前の常識なのだろうか。
閻魔様も立ち位置がよく分からん。
というかマジでこの地獄裁判のシステムが謎。
言うたもん勝ちみたいなとこない?
俺が責任とります!みたいなことしたら割と何でも受け入れてもらえてるよね…一回きりならおおって思うんだけど何回かあったからまたかいってなる。
カンニムもたいがいな罪だけど裁判せずに1000年使者やれって鶴の一声すぎますやん。
あとジュラシックパークはほんと…ええ…って感じ。脈絡なく恐竜とか言われても何でやねんってツッコミしかない。
今作はえっ?何で?ってとこが多くて入り込めなかった。
あと大暴れするマブリー期待してたけどそこがなくて残念。
でも使者の過去編は良かった。ドクチュンとヘウォンメクが。
カンニムはわりと救いようがなかった。
2019-64
過ぎ去ったことに新しい涙を流すのはやめよう。
待ってた待ってた神共。
お金かけてるけどちょっと可愛いCG、これだわー。なんかホームに帰ってきた感じ。
今回は第一章では語られなかった使者たちの過去が明らかになるということでしたが、メインはこの3人でしたね。
前回のように7つの裁判やその道中のあれこれはかなり少なめ...もちろん前回と同じパターンを、人を変えただけだと飽きるだろうけど、もうちょっとアクション観たかったし、スホンのことも語られてほしかったかな。
上映時間がそれでも長い作品なので、なかなか難しそうですが、
第一章のジャホンの心温まる家族ストーリーが好きだったので、私としてはスホンの視点からも家族を掘り下げてくれるのかなぁと期待してました。
だから、生き返ってからもそういうストーリーが観たかった。閻魔云々より(笑)
でも3人の過去の話は想像してたよりもハートフルで、心打たれるものがありました。
相変わらずチュ・ジフン오빠かっこよすぎた...兄さんに会えるなら地獄行ってもいいかも(笑)
マ・ドンソクさんはもっと中心的キャラクターかと思いきや、そうでもなかった。でも本当にいい俳優さんだなぁ。なんであんなに愛らしいんだろう。
「過ぎ去ったことに新しい涙を流すのはやめよう」
ね。
会者定離、去者必返
出会った者はやがて別れる。
去った者は必ず帰ってくる。
まさに因縁。複雑に、そして隙なく、絡み合い混ざり合うそれぞれの運命をこの目でしかと見届けられる第二章。
過去の業をどう懺悔するか、どう受け止めるか。
人間の持つ哀しき性を見せつけつつ、たしかな希望の形を表してくれる映画だった。
地獄の観光は第一章で済ませたので、今作は下界の家族と使者の過去パートの比率が多め。
同時進行でいくつもの場面を行ったり来たりするのに、ストレスなくしっかり観られるのが嬉しい。
スケールは最大級で鑑賞後は少し疲労感もあるけど、その分満足感も最大級。
前作でちらほら出ていたおじいちゃん&孫がこんな形でメインを張ってくれるとは。
ちょっとしたポイントにもきちんと意味があり、無駄を出さずしっかり掘り下げてくれるサービス精神。
生活の苦しさと将来性を見て孫を養子に出す話になった時にチュンサム爺が放った抵抗としての言葉、「ヒョンドンが私の孫であることが大事なんじゃない、私がヒョンドンの祖父であることが大事なんだ」(ニュアンス)、この台詞にはかなり胸打たれた。
大人が考える、最悪を避ける為の手は必ずしも子供の希望と重ならない。
どう暮らしていくのが幸せなことなのか、ヒョンドンの言動を見ていればすぐわかる。
最後に手を繋いで共に入学式へ向かう二人に涙。
まったく、冥界の方々は人情にめっぽう弱い。私もね。
そして肉まん兄貴ことソンジュ神の意図。
神様なのに人間味たっぷりで愛おしいじゃない。
人に手を出してはならないという特性上、肉まん・ドンソク氏がただのアクション要員ではなかったことも良かった。
スプレーアートの早送り動き好き。
さて屋敷神を失ったチュンサムはあとどれだけ生きるのだろうか。
寿命は過ぎてるし…いくら株のレートが好調になったとしてもまだ7歳、小学一年生の孤独は厳しいぞ。
どうせまた感動ストーリーに弱い冥界の誰かが情けで引き伸ばしていそうだな。
前作から一番気になっていた、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン、三人の使者の過去の真実。
これはもう凄い。凄すぎて「凄すぎる!」としか言えなくなるほど凄かった。
それぞれ単独のストーリーがあってその中でまた感激ドラマが展開されるのかな、なんて安易に考えていた。
そんなもんじゃない。認識甘すぎ。
生前の三人のドラマには、憎しみ、妬み、恨み、怒りなどの負の感情の占める割合が高い。(もちろん親愛もあれど)
残酷かつ一筋縄ではいかないことが多く、戸惑いもする。分かりやすく同情を集めることも特にせず。
ここでソンジュ神の有り難い言葉が効く。
「悪い人はいない。悪い状況があるだけ。」
犯したことの重さは何にも代えられない。
でも、もういいでしょ。水に流したいでしょ。
千年もの間、共に過ごした時間は本物。
記憶だって冥界に来てからの方がよっぽど濃厚。
なんともいえない繋がりの深さが過去を昇華した時の三人の表情が最高。
ドクチュンがヘウォンメクの正体を知った時の反応が心臓に刺さって堪らなかった。
あの泣き方はヤバい。
どんな思いであの場に戻ってきたのか。
「やはり共に」というのも王道で良いし、「両親の仇」や「なぜ襲ったのか」的なのも逆にあり。結果の三つ巴。
ヘウォンメクとドクチュン、カンニムとヘウォンメク、ドクチュンとカンニム、それぞれの背景を考えると、正直、あまり大きな声で言えないけど、正直、めちゃくちゃ萌える。燃える。
何その設定、そこからまたちょっと妄想が膨らむというかなんというか、この三人の関係性の妙にフンスフンスと鼻息荒くなってしまうのは私だけだろうか…。
スホンの裁判の扱いが謎だなと思っていたけど、カンニムの大きな後悔に重ねる形だったことがわかる。
冥界の死者のみならず、生きる者にもチャンスを与えてくれるとは。
パク中尉良かったじゃない。このまま死んでたら殺人地獄と不義地獄で有罪確定だったと思う。まあ謝ったら済む問題でもないけれど。あ、でもスホンが判官なら大丈夫か。
飄々とした態度のスホンが新鮮で良かった。
でかい人面魚の釣り餌だとか、だいぶ手荒な扱いされてて笑ってしまう。
あれ、そういえばなんで怨霊になったんだっけ…。
ジュラシック・パーク&ジュラシック・ワールドのパロディは必要なのか!?
いやジュラシックシリーズ死ぬほど大好きだしカオス感を増すには良かったけども。
やっぱりラプトルは怖くないとね。人間の都合の良い味方ヒーローのラプトルなんて全然ダメだし前傾姿勢でめちゃくちゃ殺しに来て欲しいのよ…話が逸れた。
まさか閻魔様まで繋げてくるとは。
でもそうすると、カンニムを使者にしたのはちょっと依怙贔屓入っているような。
死者の人数分だけ使者が必要なので、冥界も人手不足なのかな。
私も死んだらカンニムとヘウォンメクに挟まれドクチュンに慕われる使者生活がしたいな…。
生き返り後のことが全く描かれない潔さが好き。
生き返ったジャホンがお母さんと巡り合ってなんかデジャヴ感じる、くらいの描写がありそうなものだけど、それをご想像にお任せしてくれるところがニクい。
記憶もなくなってしまうし、生き返りの権利はあるけど…と爽やかに惜しんで使者を続ける三人の選択が嬉しい。
そしてドンヨン一等兵!不憫でかわいいよ!貴人の豊作祭りだワッショイ!
第三章やってもいいのよ、と思いつつ、もうこれ以上の映画的なドラマがある気がしない。
どんな死者にも使者にも生存者にも色々な物語があるんだよね。それがハッピーエンドかバッドエンドかはわからないけれど。
いつの日かヘウォンメクに肩を抱かれたいしカンニムに呆れられたいしドクチュンと遊びたいものだなと心寄せながら生きていこう。
去者必返・・・心得の条
タイトルが示す通り因と縁。カンニムだけは生前の事実を知っていたが、ヘウォンメク、ドクチュンは完全記憶喪失。この使者3人の過去がソンジュ神によって暴かれていくのがメインストーリー。ソンジュが可哀そうな老人と孫を匿っているにはサブストーリーに過ぎなかった。さらにカンニムが誤射によって死んだスホンに裁判を受けさせるストーリーでも閻魔大王を証人として喚問するという訳のわからぬ展開も、実は壮大な因果関係が絡んでいたのです。
韓国映画は好きなのですが、高麗王朝時代の作品はほとんど見てません。高麗、女真、契丹と3国が登場したおかげで、世界史で学んだ高校時代を思い出してしまいました。ついでにキッタンと呼ばれていた同級生まで思い出したのです・・・
とにかく壮大な王朝時代の外敵との戦争。朝鮮戦争がかわいいとも思える・・・という台詞があったくらい壮絶な戦いだったに違いありません。高麗が南部を支配して、ツングース系の女真族を一網打尽。さらには契丹まで高麗に侵攻。そんな戦国時代に高麗の王の息子であったカンニム。ある時から契丹人の子を養子として育て、カンニムよりも目の前の戦よりも広大な視点で戦いを見ることのできる、その義弟の方を重用したのだが、義弟は行方不明となった。一方では高麗の武将の一人が女真族の女の子を助ける。そして、戦術を教え、軍から横領した米をも分け与える。と、ここまで来れば、使者の3人の関係性が見えてくるのだ。
誰が誰を殺した?という因果関係と贖罪。カンニムだけが記憶を持ってることがストーリーの肝となり、閻魔大王との関係も驚愕となるのだ。いやはや、千年も過去の話なんだから・・・と簡単には言えない。何しろ、ヘウォンメクとドクチュンは初めて聞く話なのだから・・・。
結局、神と名の付くのはソンジュだけだった気もするが、地獄の使者とか裁判官も世襲ではないけど交代制。面白い設定に加え、『ジュラシック・パーク』へのオマージュもあったりして、第一章よりも面白かった。下界パートのソンジュも恐持ての割に優しい神で、「正直に生きればホームレスになる」だとか「悪人はいない。状況が悪いだけ」とかいいことを言う。ただ、全てを逆から読め!というクイズみたいエピソードもあるが、ハングル文字が出来たのは15世紀のハズ。などと突っ込んでみた。
最強の三人(BGM September!)
一作目を観ている事は前提条件の二作目。
今回の主役は三使徒。1000年前のドラマは予測以上に残酷で、ウソやぁと思わず唸ってしまった。兎に角ヒャンギの同情の集め方が、臭過ぎて露骨すぎてアカン。何がアカンて、わかっちゃいるけど抗えないってヤツ。この子は泣かす。ドンソク兄の出番が無かったのは裏をかかれた感じ。
一作目と趣きが違い、破壊力のある泣かせ方は無いけれど、1000年掛けた贖罪の物語は染みました。ジュラシックパークなんかに飛ばなきゃ良いのに。あれ、笑うとこですか?
最後の最後の閻魔の縁は、蛇足かなぁ。悪い時代の「素直に終わってくれない韓国」だった。
良かった。けど期待値も高かったからトントン気分です。
三人の最後。ウン、やっぱり良いかな。すっごく!
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7/1 追記
悪い人間はいない。状況が悪いだけ。
成主神の言葉。その状況を作るのは人間。変えられるのも人間なんですけどね。
罪悪感を1000年間背負いながら、自分が斬った二人と過ごして来たカンニム。
両親を斬った男に命を救われ、慕い続けて来たドクチュンは、ヘウォンメクを救うために短剣を取り、結果的に命を落とします。
兄に冷遇されながらも使命を果たすため、鬼になろうとしたがなり切れなかったヘウォンメク。敵将の慈悲に救われた命ゆえの因なのかと。
縁は1000年と言う時間を経て、何かに変わった。愛っていうのか、信頼って言えば良いのか、情って言えば良いのかは分らないけど。
他人として生まれ変わるの、もったいなくないですか?あと1000年でも10000年でも、やってりゃ良いじゃん。成主神の言葉を証明し続けて欲しい。人間じゃないけどね、この人たち。
霊界スペクタクル
前作で48人目を転生させた冥界の3使者が前作の消防士の弟を49人目に選び、これで自分達も…って話。
前作の直後から話はスタート。
一応「前作のあらすじ」って流してくれたけど、観てなかったらこんなもんでわかるかいっ!ってレベル。
弟君のエピソードを深掘りするのかと思いきや、なんか条件が出されちゃって、一応裁判はありつつも全然違う方向に話が進んでいく。
まあ、前作から49人転生させたらのフリがあったし、前作で弟君のこともかなり語られちゃってるしね。
コミカルさやアクションは前作よりもかなりパワーアップした感じはあるものの、ストーリーの軸にこれじゃない感が強いし、胸アツ要素が激減。(個人的印象比)
大して思い入れのないキャラの過去話を深掘りされてもあまり響かないし、シーンが行ったり来たりもちょっと面倒くさい。
ちょいちょいみえる弟君は貴人感ないし。
もう一作、二作と転生話があってのこれだったらもっと面白かったかも知れないが、第二章じゃ早過ぎる気がした。
某職業は世襲性なのか!?
よかった
前作の主人公の弟と、3人の使者の因縁の話だった。弟がひょうひょうとしているのがよかった。なぜ転生を求めないのかもうちょっと語って欲しかった。それにしても二人の息子に立て続けに先立たれたお母さんが心配だ。
"神と共に"ッテ、何⁉
個人的な感想なので無視していただきたいのだが、はっきり言ってこのPARTⅡのほうが、格段に面白い。特にPARTⅠでは登場していなかった映画「犯罪都市(2018)」で強烈な性格の個性派であり、肉体派俳優の印象の強いマ・ドンソクが屋敷守護神となって、男の子を守る役で出てくるのはいいが、その暴力を人間にはふるうことが出来ないという設定がコミカルでPARTⅠよりは、コメディ要素が増えたように思われ、また、前作の曖昧なCGが見事に払しょくされ、同じ監督が作ったとは思えないものとなっている。それと3人の冥界の使者の関係や天倫(ここでは、親不孝)の地獄をつかさどるヨムラ大王との関係などを3つの次元をnon-linear narrative形式を用いているのにもかかわらず、あながちこの形式の分かりにくさが出てしまうのにも関わらす、本作はシナリオ自体、サックと観ることが出来た。まさに二転三転する良くできた裁判劇を見ているようで、視聴者を魅了している。
ただ重箱を突くようで申し訳ないが、地獄の検察官役の人が、変わっていたので??となってしまった自分がいる。
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