「去者必返・・・心得の条」神と共に 第二章 因と縁 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
去者必返・・・心得の条
タイトルが示す通り因と縁。カンニムだけは生前の事実を知っていたが、ヘウォンメク、ドクチュンは完全記憶喪失。この使者3人の過去がソンジュ神によって暴かれていくのがメインストーリー。ソンジュが可哀そうな老人と孫を匿っているにはサブストーリーに過ぎなかった。さらにカンニムが誤射によって死んだスホンに裁判を受けさせるストーリーでも閻魔大王を証人として喚問するという訳のわからぬ展開も、実は壮大な因果関係が絡んでいたのです。
韓国映画は好きなのですが、高麗王朝時代の作品はほとんど見てません。高麗、女真、契丹と3国が登場したおかげで、世界史で学んだ高校時代を思い出してしまいました。ついでにキッタンと呼ばれていた同級生まで思い出したのです・・・
とにかく壮大な王朝時代の外敵との戦争。朝鮮戦争がかわいいとも思える・・・という台詞があったくらい壮絶な戦いだったに違いありません。高麗が南部を支配して、ツングース系の女真族を一網打尽。さらには契丹まで高麗に侵攻。そんな戦国時代に高麗の王の息子であったカンニム。ある時から契丹人の子を養子として育て、カンニムよりも目の前の戦よりも広大な視点で戦いを見ることのできる、その義弟の方を重用したのだが、義弟は行方不明となった。一方では高麗の武将の一人が女真族の女の子を助ける。そして、戦術を教え、軍から横領した米をも分け与える。と、ここまで来れば、使者の3人の関係性が見えてくるのだ。
誰が誰を殺した?という因果関係と贖罪。カンニムだけが記憶を持ってることがストーリーの肝となり、閻魔大王との関係も驚愕となるのだ。いやはや、千年も過去の話なんだから・・・と簡単には言えない。何しろ、ヘウォンメクとドクチュンは初めて聞く話なのだから・・・。
結局、神と名の付くのはソンジュだけだった気もするが、地獄の使者とか裁判官も世襲ではないけど交代制。面白い設定に加え、『ジュラシック・パーク』へのオマージュもあったりして、第一章よりも面白かった。下界パートのソンジュも恐持ての割に優しい神で、「正直に生きればホームレスになる」だとか「悪人はいない。状況が悪いだけ」とかいいことを言う。ただ、全てを逆から読め!というクイズみたいエピソードもあるが、ハングル文字が出来たのは15世紀のハズ。などと突っ込んでみた。