「面白くなかったです。」影に抱かれて眠れ たーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
面白くなかったです。
何だかとても唐突感の否めない作品です。
画家の硲冬樹(加藤雅也)とバーテンダーの辻村正人(松本利夫)とこれも良くわからないNPO団体に所属して売春をしている女の子を助ける岩井信治(カトウシンスケ)。この3人の関係がまずよくわかりません。おそらく冬樹の経営しているバーなどの従業員としての関係が始まりだとは思いますが、もっと幼なじみ的な空気感があったりしてます。
画家なのに画商の吉村秋保(余貴美子)が展示会を企画しても乗り気でなかったり、バーを任せている小島たき子(熊切あさ美)とは男女の関係はあるものの、そんなに気持ちはのめり込んでいなかったり、かと思うと人妻で外科医の永井響子(中村ゆり)には男女の感情以上のものを感じたりと不思議な人物です。
また本人はやくざではないのですが、裏の社会のメンバーとも堂々と渡り合っていて、どんな人物なのかが良く見えないキャラクターです。
その為にストーリーにはなかなかのめり込めず、どんな見方をしたらよいのかが分からないまま終わりました。
響子に「絵を描いて欲しい」と言われた時に、どうして刺青になるのでしょう。何だかここも唐突で、響子も特にそこに違和感もなく受け取っていて、とても不思議でした。思えば冬樹の絵の世界観を自分の身に刻む事によって、ガンで亡くなったとしても冬樹の思いと一緒に「死」への旅立ちが出来ると思ったのかもしれません。
でもこの人は人妻なんですよね。
響子が死去したあとに響子の主人が冬樹を訪ねてきて、ラストにコップの水をかけるのは、当然の行為だと思いました。男女の身体の関係がなくても許せなかった気持ちは理解できます。
ラストは無惨に射殺されて終わりますが、何だか良くわからないまま終わった感じでした。
冬樹はいったい何者だったのでしょうか?元ヤクザの画家?
もっと書き込む必要があったと思います。