「最後で台無し」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー アルさんの映画レビュー(感想・評価)
最後で台無し
ストーリー終盤までは個人的には非常に良かったですが最後で台無しです。
ドラクエ5を知らない人はテンポが速すぎてついていけないかもしれませんが、ストーリーの大筋を理解していれば尺の都合もあるしこうなるよねというのも納得できます。
父との死別、奴隷時代の困難、結婚、出産、過去の自分との邂逅、息子との共闘という既存の重大要素は上手に表現できていました。
微妙に改変されている点のうち、アルスが双子の兄妹でない点は少し気になりましたが、ヘンリーが最後加勢に来るシーンが非常に熱かったりするので総じてみれば受け入れられます。
3Dでの表現もアニメ調で味のあるものに仕上がっていると思うし、少しコミカルな要素が強いですが演出面でもドラクエの世界観にマッチしていると感じました。
そのため、最後のミルドラースの件が残念でありません。
監督は「ゲームなんか子供がするものだという批判もあるけど、ゲームって素晴らしいよね」っていうメッセージを込めたのだと思いますが大きなお世話です。
ドラクエ5をリアルタイムでプレイしていた層はすでにアラサーとかアラフォー以上です。
そうなると、私もそうですが結婚もしていれば子供もいます。
年齢とともにゲームとの付き合い方について考え、時には悩み、辞める人もいれば今でも続ける人もいます。
そういう人たちに対して監督のメッセージは説教臭さを感じるうえ、ひたすらに浅く、今更過ぎます。
しかも、前述のとおり終盤までの出来がよかったのでいい感じに感情移入もでき、いよいよラストどうなるというところでこれです。
リアルに「は?」ってなりました。
ひたすらに寒いです。
監督、ドラクエもそうだけどゲームやってこなかったでしょ?
アンチテーゼの「大人になれ」ってあなたが趣味がゲームの大人に対して思っていたことではありませんか?
ドラクエ5ファンとしては最後だけ作り直してほしいです。
最後さえ無ければ85点とか90点くらいの映画だったと思います。