「上げて落とすススタイル…」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー じょーいさんの映画レビュー(感想・評価)
上げて落とすススタイル…
僕自身、スマブラの勇者参戦を期に今年初めてドラクエに触れたような人(つまり5は未プレイ)なので、他の方々のような思い入れはありません。
それでも、ドラクエの明快で徹底されたファンタジーな世界観は他のRPGと比べても格別であり大好きで、もっと知りたいなと思って今作を観ました。
映画の最後10分くらいまではその映像美、そして王道で胸熱な展開にどっぷりハマって、頭の中では「帰ったら絶対5買おう…!」とか思っていたところにあのシーンが流れた。
まずいきなり画面が止まったものだからかなりびっくりした。(心臓に悪いって…)そうしたら、ラノベぽくってドラクエに似つかないような話し方のキャラクターが現れて、この素敵な世界をドンドン破壊していく!挙げ句には「大人になれ」だなんて言われて、観ているこっちからしても主人公と同じく「放っておいてくれ!!」という感じになり本当に胸が締め付けられた…
アンチウイルス?のおかげで最後にまたもとの素敵な世界を目にかけることが出来たけど、数分前のような没入感はもう無く全部嘘に思えて寂しくなった…
悔しいのが、あのオチが色々と腑に落ちるところ。スラりんがいつも見守っていたことだったり、少年期が駆け足だったのはプレイヤーがすっ飛ばしたからか…とか、「ロボットが出るのはそういう設定だからじゃ!」とかいう軽いメタなネタかなと思っていたシーンとかユアストーリーというタイトルとか…
このショックも、作り手の思うつぼなんだろうなぁ… でもどうせやるなら架空のRPGみたいなものを設定してやってほしかった。
ゲームは現実にも匹敵するくらい良いものなんだ!って伝えたかったんだと思うけど、この映画自体がそのラスボスと一致しちゃってなんだかなぁ。そのメッセージは素敵な映像体験をして、映画館のライトがつく頃に自然と胸に湧き上がってくるものだと思う。
帰ってきてやりかけのドラクエ4やろうかと思ったけど、やる気になれなかった。残念。