アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のレビュー・感想・評価
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戦争は、どの国でも同じように悲劇だということが分かる
フィンランド軍人のそれぞれの視点で戦争と向き合う様子が描かれる。
戦争をする理由において、上層部が考える国として思いと軍人個人の思いの違い。
最前線の軍人をただの駒として扱い、現場を理解できていない上層部。
上官の命令には従わないが、勇気ある行動と技術でたくみに相手に攻め入る中高年の軍人。
母国に残る家族を思いながらの戦い。
攻めたロシアの女性と恋する軍人。
どの国でも戦争とは悲惨なことでしかないことが分かる。
終始ドンパチ、
まっこと欧州の地政学は複雑怪奇なり
フィンランドvsソ連
小国の悲哀も感じることが出来ました。
第二次世界大戦時、フィンランドとソ連の戦争を描いた作品で、下士官を中心とした名もなき兵士達の物語です。
「ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦」がソ連との「冬戦争」を描いた物語なら、この映画はその後に続く「継続戦争」を描いた物語です。
両映画に共通しているのは「下級兵士目線」であること。国同士の「大きな戦争」の中での「小さな戦争」。大きな濁流に流されている小さな命を良く描いていると思います。
「ウィンター・ウォー」との比較でいえば、戦闘シーンはより迫力を増したように感じられます。また、簡単ですが戦争の経緯や戦局等の説明もよりされているように感じられました。(ナチスとの共闘の話も出て来ていて、小国の苦しさを窺い知ることができました)
少し残念なのが、主人公の伍長が「英雄」として描かれていて、副題とギャップがあるように感じられました。戦闘経験の豊富な下士官が重宝されるのはわかりますが、もう少し抑えて描いた方がより心に迫ったように思えます。
ふむ
北欧の知られざる戦い❗
戦争被害者たちの苦しみ
フィンランドの古典小説「無名戦士」を映画化した作品でフィンランド史上映画史上最大の製作費を投じた迫力は凄い。戦争被害者たちの苦しみがヒシヒシと伝わってきた。戦争の激しい戦闘シーン以外にも自然豊かな映像が美しくて印象的。
2019-191
【無名兵士達の白兵戦の場面が延々と続く。強烈な反戦メッセージを込めた作品】
中年熟練兵士ロッカのセリフ、表情がこの作品の製作者達の戦争への思いを表していると思う。
「家族のため、奪われた土地を取り戻すために戦っている、国や上官のためじゃない」
敗走する兵士達を止めようとする太った上官を見つめる哀しげな眼差し。
日本ではほとんど知られていないと思われる、第二次世界大戦中のフィンランドとソビエトとの冬戦争とその後の継続戦争を生々しく描いた哀切で苛烈な戦争映画。
〈反権力の気風の高い都市のミニシアターで、夏に上映される作品のラインアップは毎年楽しみにしているし、ミニシアター運営の方々の気概を感じる。更に言えば、これは という作品が満席になっているというのもこの都市の文化度の高さを物語っていると思う。〉
<2019年8月12日 旅先のミニシアターにて鑑賞>
フィンランドの複雑な成り立ちの一部
気づけば三時間たっていた…
映画の90%は無名で主役なき兵士の戦場で展開する。
ひたすら戦う
祖国の無名英雄として
好みの別れる作品
これは好みの別れる作品と思いました。自分的には良い作品でもなく面白かった訳でも無いけど心に響いた映画。
第二次大戦。フィンランド軍とロシア軍の最前線の攻防戦。
まさに歩兵同士による陣取り合戦。
マシンガンの撃ち合いと手榴弾の投げ合い。たまに戦車が登場するとこの世の最終兵器と錯覚してしまいます(笑)
最近鑑賞した作品では潜水艦や空母や戦闘機が活躍していてエンタメ度が高めでしたが本作は正に現場主義の生々しい内容。
上映中はスローテンポの美しい曲が流れている反面、重たい映像が何気にマッチしていた印象。綺麗な風景も印象的。
スローテンポの曲が終始流れいるので、序盤からスヤスヤと寝てる人が多かったのは残念( ´∀`)
自分メモ
https://youtu.be/4JwQphV8CCg
地味な戦い
1941~1944年「継続戦争」での、フィンランド4名の歩兵部隊の兵士を軸に描いた群像劇。
明確な主人公がいないため、誰の物語なのか分からないまま最後まで。
撤退時にソ連の戦車や爆撃機は出てきたものの、地味に歩兵同士の塹壕や蛸壺での打ち合いが1時間以上続くので、眠気と戦う羽目に。
私は我慢して最後まで眠らずに耐えたけど、すごいいびきがどこからか聞こえたwwww
セリフのはしばしに、今の価値観が入り込んでいる惑があるし、少ないとはいえフィンランド側にも戦車などの軍備もあったはずで(ソ連のを鹵獲して改造したBT-42や、ドイツから貸与されたIII号突撃砲など)、それらが一切出てこない不自然さもあったりと、映画としてはイマイチ。
しかしながら、「今のフィンランドがあるのは、過去に頑張った人たちのおかげ」みたいな、学校教材にはいいかも。
といいつつ、戦争映画の常なのか、けっこう濡れ場がありますが。
空気を切り裂く弾丸の音と、フィンランドの歩んだ道
この映画は、戦う目的を祖国に求めることが出来ず、家族や愛する人の元に戻りたいと切望しながら、もがき、仲間と助け合いながら必死で生き残ろうと戦った戦士たちの物語だ。
戦うシーンも、激しい戦闘というより、空気を切り裂くような、ヒュッヒュッという弾丸の音が印象的で、いつ身体が弾に貫かれるのか、弾に当たるなと願いながら、息を飲んでしまう。
フィンランド化。
この言葉を知っているだろうか。
もともとフィンランドが自国の土地をソ連に奪われ、第二次世界大戦に乗じて、奪還すべく戦いに挑み、一時は優勢だったものの、物資などに劣ったことから、結局、フィンランドは敗走することになった。
その後、ソ連の要求で同盟関係にあったドイツとも戦わされ、かなりの国土が焦土化したにも関わらず、戦後は枢軸の敗戦国として扱われ、戦後処理はソ連に多額の賠償金などで大幅に譲歩し、民主主義を維持しながらも、ソ連に逆らうことができないようになってしまった。
これを背景に、民主主義や資本主義を維持しても、共産主義の影響下に置かれることを表してフィンランド化と呼ぶようになったのだが、フィンランド自体は、それこそ「名も無き戦士たち」の激しい抵抗もあり、戦勝国に占領されることはなかった。
フィンランド化は、フィンランドを揶揄するように使われることもあったが、彼らは着実に産業育成に取り組み、世界的な通信企業で5Gも担うノキアや、精密機器のスントなどロシアよりも先進の先端企業を育てたに止まらず、高社会福祉国家を実現し、環境問題への取り組みも世界の先頭を走っている。
これも彼らの気質の賜物なのだろうか。
国家主義化せず、個人を尊重し、慎重に選択肢を絞り込み、積み上げてきたのだとしたら、何か羨ましく感じる。
ところで、ロシアということで考えると、北方領土の問題もあり、何か他人事とは思えない側面もある。
ロシアは帝政時代の南進から始まり、基本的には拡張主義を続けている。
東進の結果、日露戦争に至ったこともそうだ。
また、自国の周りの国々を共和国としてソ連邦に組み込んだり、東欧諸国を共産主義の衛星国にして西欧、アメリカに対峙、アフガニスタンに侵攻したことは、それほど昔のことでは無い。
ソ連崩壊で、拡張主義は終了したかに思えたが、プーチンの登場によって、クリミア併合、ウクライナ東部の反乱支援、シリア支援など拡張主義は復活してしまった。
個人的には、ロシアは、交渉するポーズは見せても、北方領土は返還しないと思う。
彼らは日本のせいだというが、相手の言うなりで、大きな進展を見せない現政権は、方針転換をすべきと思う。
広大な国土と、化石エネルギーによる収益に大きく依存するだけで、産業育成などは遅れ、軍事的緊張を煽ることが多いような国家に対しては、他にも対処する方法はあるのではないか。
人口減少が懸念されるなか、フィンランドのような国を手本として、やっていけるのではないかなど、余計なことまで考えさせられる作品だった。
歩兵の誇り
1940年のモスクワ講和条約でソ連領となったカレリアを奪還すべく1941~1944年にフィンランド軍が進行した継続戦争下のフィンランド軍機関銃中隊の話。
1939~1940年の冬戦争において本人は特に活躍した訳ではないとしながらも伍長に昇格した中年兵士ロッカの心情や行動を軸に中隊の動向をみせて行く。
戦闘シーンの激しさや緊迫感に早い段階から引き込まれるし、どこの国でもいつの時代でもみられる前線のことを見ないし考えないで言いたいことを言う上と、そこに噛み付くロッカとか、実際に行動する人間への信頼と絆とかちょっとカッコ良過ぎる。
勿論、上官の言うことを無視するのは危険だし許されないことで無謀なことは承知だけど、先陣を切って交戦し大活躍するロッカの言い分はある意味正論だし、強い男の生々しい言葉にも聞こえるし。
戦地だけでなく戦闘とは無縁な国内での様子との対比や、塹壕でのちょっとふざけたやり取りとかもなかなか。
「無名戦士」そう言われると前線を描いた作品は全て無名戦士が主人公なんだけどね。
男臭さや悲しさと迫力とが入り乱れる、前線を描いた昔ながらのオーソドックスな戦争映画という感じで非常に面白かった。
そして見終わってから頭の中にカリンカが何度も流れた。
念の為、戦争はそんな格好良いものじゃないとかいう正論コメントは不要です。
カ~リンカ カリンカ カリンカ マヤ♪
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