センターラインのレビュー・感想・評価
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法廷劇として観ても面白い
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AIが人を殺しましたって話なんだけど、有罪を立証しようとする検察官と無罪を勝ち取ろうとする弁護士が火花を散らす法廷劇として、そこだけ観ても面白いのね。被告がAIでなくて、法廷に行くと取り調べと全然違うこと言う人間の容疑者だったとしても、面白い映画だったと思う。
その面白さの上にAI話が来るからね。感情ってなんなんだみたいな話が入ってきて、観ちゃうね。うまいなあと思ったのは、主人公を女の人にしたところだね。幼いAIを『辛かったね。でも、もう大丈夫だよ』って母性で庇うように観えて、観客もAIに感情移入していけんの。
「女性だけに母性があるわけじゃねえだろ」って言われたら、まあその通りなんだけど、この作品の内容なら、男性より女性主人公の方が合ってると思う。
主人公の吉見茉莉奈さんも良いんだよね。舞台の人かな。自然な演技でうまいの。他の人達も、みんな有名じゃないんだけど、役に合ってて自然で良かった。演出がいいのか、キャスティングがいいのか。
僕が観に行った会はアフタートークが柏原寛司さんで「この話は主人公のキャラクターがいい。それで観れちゃう」って言われてて、そうだなあって思った。確かにキャラが立ってるから、それだけで観ちゃうね。
「AI」「自動運転」っていうキャッチーなネタが入ってるから、そこを中心に観られがちなんだけど、それを支える物語がしっかりしてんだよね。脚本・監督の下向拓生さんに力がある。
恐らく多くのひとが思ったんじゃないかという気がすんだけど「《カメラを止めるな!》を大劇場にもってくなら、この作品もってけよ」と僕も思いました。
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