「自主制作ながら、未来を描く具現力はたいしたもの」センターライン ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
自主制作ながら、未来を描く具現力はたいしたもの
自主映画という枠組みから考えると、この作り手が持つ「時代を先読みする力」とそれを「物語へ落とし込む能力」、さらには手を伸ばせば触れられるほどの近未来を「具現化する力」は見事だ。デジタルを感じさせずアナログ的な温もりを際立たせているバランス感覚もとても独特だ。
全編にわたってギッシリと、あふれかえるような台詞の量にも最初はギョッとするが、大事な部分は念を押して伝えられるので、内容がわからずとも混沌に陥ることはない。
これほどの優れた点とは裏腹に、どちらかというと映画的というよりTVドラマ的というべきか。もしかすると、そのどちらにでも転ずることができる試作品としてこの「自主映画」という表現方法を選択しているのならば、この作り手はやはり只者ではないなと思う。そして主演の女優さんも真っ直ぐな瞳の輝きが魅力的。もしも業界内で新たな才能を発掘する人がいれば、この監督と女優はチェックして損はない。
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