劇場公開日 2020年1月25日

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「技術だけでなく、見事な構成」彼らは生きていた ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0技術だけでなく、見事な構成

2020年2月22日
iPhoneアプリから投稿

祖父に注ぐとラストに出てくるが、まさにそんな思いで作られたのだろう。第一次世界大戦という遠い日の出来事を目の前に蘇らせてみせる、色をつけることによって、さらに音によって、白黒の物言わぬフィルムをリアルなものに変貌させる。技術的な方法論が揃い、そして、それらを構成する単純な方法論として選んだ「語り」という手法。まさに、かつて爺ちゃんから夏の日に聞いた戦争の話、のようなひょうひょうとしたスタンスで語られるそれらのエピソード、戦争前のワクワク感と、そんなものが消し飛ぶ戦場の有様。そして帰ってきての喪失感。映るものは当時の映像、当時のイラストのみだが、この制限された表現から汲み取れるものは多い。

ONI