「みんなみんな、観たらいいな」彼らは生きていた CBさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなみんな、観たらいいな
なんら、楽しいことはない映画だけれど、みんなが、なんかの機会があって、観られるといいな、と思う。
第一次世界大戦の、ベルギーでのイギリス軍とドイツ軍の戦いを、残されている白黒フィルムと音声と着色した白黒フィルムで構成した、ドキュメンタリー。
意気揚々と志願して従軍し、戦地に赴き、前線の塹壕内で爆撃のプレッシャーにひたすら耐え、突撃し、相手を殺し、3/4が死ぬ、そんな十代の若者達の姿を、実際の死体も含めて見つめることには、なんらかの意味があったように思う。
捕虜にしたドイツ兵を「同じ人間だ。いいやつだった。彼等も俺たちも勝敗なんてどうでもよかった。ただ戦争が終わればよかった」と語る兵士達を、淡々と観ることにも、イギリスに帰国した若き兵士達が、空前の世界不況の中で、なんら感謝もされず、かえって冷遇されたというモノローグが、ただ耳に入ってくることにも、やはり意味があったと思う。
楽しさもワクワク感も全くない映画なので、大々的に薦めにくいのだが、みんながこの映画を観るといいな、と切に思う。知っておきたいことだと思う。
しかし、秒16コマのフィルムのはずなのに、なぜこんなにスムーズに映せるのだろう。技術って、凄いな。
「♥共感」とコメントありがとうございました。ドイツ映画には「西部戦線…」以外でも第2次世界大戦ものですが「橋」や「Uボート」等の名作も多いですね。私も再鑑賞しなくては。
CBさんへ
いつもコメントありがとうございます!
「西部戦線異状無し」と言う1930年公開のクラシックな反戦映画がありまして(ドイツ側から描かれてます)。それをドキュメンタリーで見た気分です。ピーター・ジャクソンも意識してたんじゃないでしょうか。