劇場公開日 2022年5月20日

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「映画と言う芸術に対するアンチテーゼなのかなぁ?」ワン・セカンド 永遠の24フレーム マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画と言う芸術に対するアンチテーゼなのかなぁ?

2022年5月20日
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鑑賞方法:映画館

予告編を見て、あまり期待していなかったのだが『紅いコーリャン』の監督ゆえ見に来た。しかし、実は『紅いコーリャン』はよく覚えていない。ネット配信ゆえ再鑑賞しようと思っている。

劇中、人々が感動して見ている映画が『アナクロで何かおかしい』とこの映画を見る鑑賞者は誰でもそう感じると思う。だから、ひょっとしたら
映画と言う芸術に対して、この監督のアンチテーゼなのかと僕は感じた。極端な事言えば、映画なんかで社会は変えられないと言っているように見えた。
まぁ、彼を体制的監督として見る事も出来るが、ハチャメチャ(コメディ的要素もある)なストーリーの中にも、一つ芯が通っているように僕は感じた。『ニュー・シネマ・パラダイス』のリスペクト作品として見るから、薄っぺらな人情を描いた駄作と感じてしまう。そう、見なければ。
敦煌の砂漠に流れるウィグル系(中国語ではない)の言葉で奏でられる歌が、僕の心を洗ってくれた。涙がこみ上げて来た。終わり方はなんとなく分かったけど、おまけがあったって事だ。
暗い深刻一辺倒の文化大革命が、こんな軽佻浮薄な、コメディ人情劇の様な社会であった訳が無い。意味深な副題はネタバレになったり、誤解を与える。
かなりの名作かもしれないが、今の所わからないので。

マサシ