「無難すぎて、作品そのものが、"記憶に残らない"・・・・」僕に、会いたかった Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
無難すぎて、作品そのものが、"記憶に残らない"・・・・
漁師町で12年前に起きた事故で記憶を失った徹の、真実をたどるドラマ。
主演のEXILE TAKAHIROは、そもそも歌手だから、演技の幅を求めるのは酷だとしても、これまでのイメージを抑えて記憶喪失の青年を演じている。意外と好印象。
もちろん、本作はLDH PICTURES(EXILEの事務所)の映画である。今回はこれなら普通に見られる。
文句は言いながらも、ひととおりLDH作品は観ている(ちゃんと有料で)。しかし音楽やダンスとは違い、なかなか思うようにいっているとはいえない。
例えば、「HiGH&LOW」。かつての任侠映画への憧れなのか、豪華EXILE TRIBEオールスターだが、コンビニ前に溜まるヤンキーのシチュエーションコントのようなことをさせて、何がカッコいいのか。
イケメンで売るのがLDHビジネスの本質なら、"伝説の王子を争う"という、コメディで開き直った「PRINCE OF LEGEND」はずいぶんと良くなってきた。こういうほうが分かりやすい。
さて本作は、ある意味でミステリー作品。
事故が原因で漁に出られなくなった徹は、港の市場で働いている。記憶を失ってから12年も経とうとしているのに、母親を始め、漁師仲間、町の人々は何もなかったかのように徹に接し、暮らしている。
失った記憶に隠された秘密があきらになっていく。隠岐の島町を舞台に人々の心の優しさが染みる。ミステリー慣れしている人には、序盤で察しがつく。
本作の錦織監督も、LDH専属なのかわからないが、前作「たたら侍」の製作費の無駄遣いはイケてなかった。"七人の侍"にインスパイアされただけの時代劇。
今回は趣きを変えて、良い兆しが少し見えてきたけれど、何か新しさとか、錦織監督のオリジナリティーはないのだろうか。無難でそつない作品は否定もされないけれど、それこそ作品そのものが、"記憶に残らない"・・・・
がんばって!
(2019/5/10/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ)