「丁寧かつ大胆な構成」よこがお canmoreさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧かつ大胆な構成
シーンのつなぎが非常に独特。王道ではない、雑とも思えるその編集が深田監督の世界観を作り上げている。
またカットの長回しが機知に富んでおり、その移り変わりがまた鑑賞者を引き付けていた。特に事件前・主人公のヘルパーが老婆の世話をするシーン。変な緊張感を模した演出がスクリーンから醸し出され、刻々と孤独になる主人公を暗示している。
行き先が覚束ない序幕や時間軸をずらしたことも事件後に主人公に降りかかる辛いエピソードを引き立たせるアクセントになり、構成の妙が活きている。
喫茶店で向かい合うシーンは横から撮ることになるのでどうしてもテンポがずれ、人物の心情が伝わりずらくなっていた。
映画全体として一人の女性が窮地に立たされ、親友に裏切られ孤立していき復讐に向かうさまを丁寧かつ大胆に描いたサイコ的良作であった。
コメントする