「「淵に立つ」ほどではなかった。つまらなかった。」よこがお 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
「淵に立つ」ほどではなかった。つまらなかった。
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深田監督の前作「淵に立つ」は、浅野忠信の一見気付かれにくいようにある家族を、内部からじわじわと破壊していく様を描いていく。破壊していく理由が、後々明かされるのだが、今回「よこがお」に関して、職に就けない基子が、市子を追い詰めいくが、その理由が漠然と表現されていない。全くつまらない。なぜ、基子が市子に執拗に迫っていくのか。その答えは、私には勇気を持って答えられない。「淵に立つ」は、そこが明確に描かれている。ただ。市子が加害者の親戚であることで、通常の生活の幸福を無残にも打ち砕かれていく。どうしてそのことが、「無実の加害者」に転落していくということなのだろうか。メディアが、ありきたりに追ってくる場面は、もうしらけてきた。「淵に立つ」の浅野さんの人物像が、あまりにも強烈であるがために、今回の筒井さんの演技、なぜか「犬のまね」をしたが、必要性があったのか?意味があるなら良いが、キーポイントがないなら要らない。人間関係が絡んではいるが、内容は前作ほどグイグイ引っ張られるほどではなかった。
市川実日子さんは、是枝監督作品では良かったのに、今回は何か以外な凄味がなく、逆に物足りなさを感じた。同じく是枝作品に出演した池松さんの鼻にかかる声も飽きた。吹越さんの出番が少ないのも残念。
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