「悪くはなかった。けど…」ルパン三世 THE FIRST みるさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くはなかった。けど…
本作は面白い映画でした。
しかし、この映画の面白い部分はルパン三世という作品の過去作のツギハギに感じました。
この映画の山崎貴監督は原作があるアニメや漫画の映画化が多いのですが度々原作への扱いが気になることがあります。
特に気になった点は、
主人公がヒロインのレティシアに対して「レティシアって偽名だろ。(母親もレティシアだから)」といい彼女が家の家系は女性は代々レティシアであることを伝えると「随分と手ぇ抜いたもんだな」とルパンは呆れます。
普通に考えたら「ルパンお前もだろ」だと思うのですが…山崎貴監督は気付かなかったのでしょう…。
あと「ルパン三世 THE FIRST」という題名ですが、「世界で一番になるんだ!」という願いや「ルパン一世にまつわる物語」という意味だと監督は語られていますが、実際はルパン一世はほとんど出てきませんし、「世界で一番になるんだ!」というのもピンときません。
ピンと来るのは「自分の作ったこのルパン作品が他のルパン作品より一番になりたい」という監督の願いのようなものです。
「ルパン三世 THE FIRST」って英語圏の人からみたら「Lupin third: The First」じゃないですか。おかしいですよ。山崎貴監督はもうちょっと考えてから作品を作って下さい。
あと『ヒトラーが生きているようで実は死んでいた』というシーンで視聴者をビックリさせようとしますけど『ヒトラーがこういう理由でもしかしたら生きているかもしれない』という説明を一切しないので、視聴者から見ると普通に「ヒトラーが死んでいたけど死んでいた」という感じで「なんやねん!それ!」「そりゃ死んでいるよ!」となりました。
…とここまで言いましたが、普通に娯楽映画としては面白いので見る価値は大いにありです。何だかんだ言って娯楽部分はきっちり丁寧に作ってあります。