「無難」ルパン三世 THE FIRST まっきんさんの映画レビュー(感想・評価)
無難
無難な内容。
ルパンならではの爽快さと単純さで見て面白い。だが、一番残念だった点が危機感のなさや、お宝の価値観が最後までわからなかった点。
ルパン一味のピンチ度合いが伝わらないし、物語の都合で捕まったけど、本気だせば楽勝なんでしょ?ってのが終始だったり、エクリプスは世界を変える何かとか言ってんだけど、その重要さが全くもってわからない。
高が爆撃機一機が何かよくわからないものに改造されて、それ一個ナチスの生き残りが手にした所で、なんかヤバい事になんの?米軍に太刀打ち出来るとは全く思えないけど。という、極論ミニ四駆で世界征服とか言っちゃってるのと変わらないような危機感の欠如。
要は世界的な危機に対する描写が全く足らなすぎる。これに関しては既存、世界戦力に対する優位性を描くべきだった。結果的に危機を脱する感動も何もない。
最後のシーンに関しても、ルパンがタイマンであの三下に負ける訳がないって状況から、舐めプでピンチになってるだけで、このシチュならルパンなら楽勝って見てしまってるから、勝っても感動がない。
要するにピンチに陥らせる演出がクソ。
カリオストロでは、超人的なルパンが弱る理由があった訳で、それらがないならルパンが対人でのタイマンで負ける理由がない。
タイマンに持ち込む時点でルパン一味が意図的に仕組んだシチュならなおさらで、あの状況でルパンのピンチ作っても無駄でしょ。
ルパンに無双させて爽快感に振り切った方がマシだった。ピンチからの脱却のカタルシスはあのシーンにはない。
教授の死際の感動の薄さとか、他の問題点は多分、どなたか突っ込んでるだろうから省略。
兎に角、脚本的な演出がザルで、作品全体をチープにしてると感じた。