「痛快」ルパン三世 THE FIRST U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
痛快
大満足。
大好きだったルパンが帰ってきたような印象。山崎監督ありがとう。
新生って事ではないのだが、フルCG第1作目の今作。まるでシリーズ第1作目のお披露目ででもあるかのようにキャラクター達が丁寧に描かれる。
冒頭のカーチェイス等はカリオストロを彷彿とさせる。愛くるしいフォルムとは裏腹に弾丸の如く疾走するフィアット。次元も五右衛門もしょっぱなから大活躍だ。
ルパンと銭形の巧妙な掛け合いまでも見せてくれる大サービスのオープニングアクトだった。
ヒロインの設定もツボを外さず、ルパン1世まで話に絡んでくる。目当てのお宝は考古学のロマンに溢れてる。
異形の変異を遂げる古代文明の遺産には、昨今のシリーズの名残を感じたりする。
何というか、集大成というかルパンの面白さを全部ぶっ込んだような贅沢な内容だった。
といっても、やはり俺らの世代は「カリオストロこそ至高」になってはしまうのだけれども。
ただ本作はカリオストロの骨組は変えずに、外装を替えていった印象でもあった。
ルパン=山田康雄の世代の俺にはどおしても栗田版は受け入れ難く敬遠していた十数年ではあるのだけれど、今回のは観れて良かった。
吉田さんの芝居はハマってたなぁ…あの博士が実際に喋ってるようだった。沢城さんや浪川さんのレベルに匹敵する聞こえ方だった。違和感が残ってたのが広瀬さんで、字面が見えるような印象が残念だった。
でもこれが普通の印象だ。
吉田さんの印象のが普通じゃないのだ。さすがの地力を堪能させてもらった。
次元のCGモデルとか大好きだ!
五右衛門の顔は何故か綾野氏に似てる。実写版をリスペクトしてるわけではないのだろうが、綾野氏の面影を感じてた。
ただ肝心のCGが…というかモーションがあまりよろしくない。
まさかの手付か?と勘ぐる程だ。
肌の質感とかは毛穴まで描画できるほどなので、あの、モーションは選択した結果なのだと推察する。
でもなぜ、アレを選択したのかの根拠が見えてこない…1世代前とかの印象なのだ。
ただ総体的にはルパンらしいルパンだった。
飄々とした心優しき大泥棒。
去り際に手をかざす次元なんかは「そう!コレコレ!」と頷かずにはいられない。
カリオストロの続編が、ようやく…やっと観れた感じだった。
再三言う。
山崎監督、ありがとう!