「赤ジャケルパンらしいドタバタ感。うん、普通に面白い。」ルパン三世 THE FIRST たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
赤ジャケルパンらしいドタバタ感。うん、普通に面白い。
怪盗ルパン三世とその仲間たちの活躍を描く冒険活劇『ルパン三世』シリーズにとって初となる3DCGアニメ映画。
第2時世界大戦から十数年後のフランスを舞台に、「ブレッソン・ダイヤリー」というお宝をめぐりルパン一味とナチスの残党が争奪戦を繰り広げる。
監督/脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』の山崎貴。
○キャスト
銭形警部…山寺宏一。
新たなキャラクターとして、今回のヒロインである考古学者の卵レティシアの声を演じるのは『海街diary』『バケモノの子』の広瀬すず。
レティシアの育ての親でありブレッソン・ダイヤリーを求める男ランベールの声を演じるのは『帝一の國』『おっさんずラブ』シリーズの、名優・吉田鋼太郎。
ナチスの残党を率いる男ゲラルトの声を演じたのは『デスノート』シリーズや『借りぐらしのアリエッティ』の藤原竜也。
日本を代表するヒットメーカー山崎貴が監督を務めた『ルパン三世』の長編映画。
山崎貴監督、今年だけで3本も長編映画の監督を務めている。こんなにも沢山の作品を作らせてもらう事が出来る監督なんて、世界広しといえども山崎貴くらいのものなんじゃないだろうか?
今年の夏、彼が総監督を務めた3DCGアニメーション作品『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の評判が非常に悪かった為(自分は観ていませんが…)、正直本作にもほとんど期待していませんでした。
まぁルパン三世は大好きだし、ちょいと観てみようかな、といった軽い気持ちで鑑賞しましたが、思いの外楽しめました😆
舞台となる時代は1960年代。この時代設定は意外でしたが、アルセーヌ・ルパンが1874年生まれのようなので、それに合わせたのでしょう。
昭和から現代まで、ある程度自由に舞台となる時代を設定できるのが『ルパン三世』という作品の強み!まぁちょっと反則な気もしますが…💦
お話は良くも悪くも『ルパン三世』らしい荒唐無稽なアドベンチャー。
ドタバタアクション/ファミリー向けコメディ/ナチス/古代テクノロジーなどがふんだんに盛り込まれた、最も人気のある赤ジャケ(1977年から放送された第2シーズン)のノリですね。
今でも年に一本はTVスペシャルが作られていますが、近年の作品は正直どれも駄作。それに比べれば本作の出来はかなり良い。
キャラクターはよく動くし、カーチェイスなどのアクションも楽しい!
特に良かったのはレギュラーキャラクターの個性をちゃんと描いていたところ。
ルパンは金庫破りやスリの腕前を存分に発揮しており、泥棒としてのスキルの高さがきちんと描かれている。
不二子ちゃんは可愛かった。ただのお色気要員としてではなく、活躍場面もしっかりあったし、カッコ良い女性という感じでぐっときます。
最近シリアスに描かれがちな銭さんも、今作ではしっかりコメディリリーフとして活躍してくれます。やっぱり銭さんは昭和一桁らしく、愚直に「ルパ〜ン!逮捕だ〜!!」と騒いでくれないとらしくないですね😁
次元と五ヱ門は出番少なめかな?でもそれぞれ見せ場はあったしカッコ良かったので満足!
斬鉄剣が隕石で作られているという設定を持ってきてくれたのは、原作ファンとしては嬉しかった!
ヒロインのレティシアを演じたのは広瀬すず。演技は正直今ひとつでしたが、まぁ気になるほどではないかな…。
劣化版クラリスみたいな、これまでのルパンシリーズで似たようなキャラクターが何人居るんだと言いたくなるようなテンプレキャラ。
悪役を演じたのは藤原竜也と吉田鋼太郎。この2人はやはり演技が上手い!
特に吉田鋼太郎は本職と比べても何ら遜色ありません。もっと声優として活躍してほしいです。
藤原竜也演じるゲラルトのナチスへの愛情はもはやギャグ😅
吉田鋼太郎演じるランベールは結構キャラがブレており、監督もどう扱って良いのか分からなかったのではないかと邪推してしまいます。面白いキャラではありましたが。
ルパンファンとしては、レギュラーメンバーがキチンと活躍してくれているだけで満足なのですが、ストーリーも頭を空っぽにして観る分には十分面白かったです。
本作を簡単に説明すると「ブレッソン・ダイアリー」というお宝を巡る、ルパン一味とナチス軍団の争奪戦です。
このお宝の入っている箱には爆弾がついており、解除方法を間違えると爆発を起こすという恐ろしい(そしてありきたりな)仕掛け。そんなヤバいものを結構雑に扱っていましたよね皆さん…。
ダイアリーに書かれていた謎を解き、古代人の残した遺跡へと向かう一行。その遺跡の仕掛けの適当さがすごい。レーザーの罠とか、隕石がないと突破できない罠とか、本当にクリアさせる気あるのか古代人?
でも一世のハットとステッキを装備したルパンがカッコ良かったので良し!
お宝の正体は何じゃそりゃ?という感じでしたが、まぁルパンシリーズなので有りかな、という感じ。というか、ルパン作品なら大抵の展開は有りになってしまうんですよね。改めて考えると無茶苦茶なシリーズだな…😅
ラストは完全にカリオストロオマージュ。
この感じも何度となく観てきたよなぁ…。もっとこう他に展開はないのか!?まぁベタだからこその良さもありますが…。
期待していなかっただけに、普通に楽しむことができてラッキーな気分になりました。
3DCGアニメーションも非常に出来が良く、全く違和感なく楽しめた。
何より大野雄二さんの音楽も良かったー♪ラストに「スーパーヒーロー」が流れると否が応でもテンション上がります!
感動するとか、考えさせられるとか、そういった類の作品ではないですが、何となく観て楽しむことができる娯楽映画。
ルパンファンゆえ評価は激甘ですが、このくらいで良いんだよこのくらいで!
たなかなかなかさん
アイコン変えられたのですね。
ルパン三世サントラのジャケット絵ですね!
モンキー・パンチ氏が乗りに乗ってWeeklyアクションの表紙とか、映画ポスターとかのイラストを描きまくっていた頃の作品です。
モンキー大好きな私なので、嬉しくなってコメントしちゃいました。
映画は劇場版第一作とカリオストロが飛び抜けて名作ですが、本作は完全に合格点だと思いました。
『vs複製人間』が断言一番好きですが。