「「3Dルパンの新鮮さ」という点だけが救い」ルパン三世 THE FIRST erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)
「3Dルパンの新鮮さ」という点だけが救い
オープニングのブレッソンダイアリーの機械を間を縫ってタイトルが現れ、テーマ曲が流れてくるシーンや主要キャラの初登場シーンなどはやはり痺れる。うおおルパンが3Dで帰ってきたぜって感じ。
◆総合的には凡庸な作品
CGの見せ場はたっぷりある。ビーム廊下の3D空間上を掻い潜っていくルパン、エクリプスの攻撃における派手な爆発エフェクトなど。それなりに派手だしそれなりに目を引く。ただめちゃくちゃ凄いかというとそこまでではない。何故なら技巧的な部分においては3Dには既に目が肥えている。最近だと『ライオンキング』や『トイ・ストーリー4』のグラフィックに驚かされたばかりだ。「初の3Dルパン」という部分においてのみ新鮮さは感じるものの裏を返せば長所はそれだけという印象。
◆ストーリー
仮に今作のストーリーをアニメで再現したらと考えると退屈な作品になるだろうなと想像される。それだけストーリーは酷いとは言わないが凡庸だ。アクションの尺を増やしてルパン一味が暴れまくる場面がもっと欲しかった。
◆敵のインパクトが弱い
主要敵キャラがゲラルトとランベールと二人いて最終的な目的が異なる点で印象がとっ散らかってしまい、しかもランベールは最終的にああなってしまうので、結局唯一の悪役であるゲラルトはキャラもあまり立っていなく、中途半端という印象を受けた。
最初からゲラルト一本に絞って彼の悪を強調して観ているこちらが「こいつむかつく、やっつけられてしまえ」というような悔しい歯がゆい気持ちを引き出してくれらば盛り上がったろうなと思った。
◆ジブリオマージュ?
批判ではないけど、古代遺跡やエクリプスの起動や攻撃シーンはめちゃくちゃラピュタが想起された。更に縄に縛られてあぐらをかく一味…。
ラストシーンの桟橋でルティシアがルパンに抱きついてくるくる回るシーンも、完全に紅の豚のデジャヴュである。