「子育てなんて無理!なお父さんに捧ぐ」パパは奮闘中! とえさんの映画レビュー(感想・評価)
子育てなんて無理!なお父さんに捧ぐ
フランスにおけるシングルファーザーのワンオペ育児の大変さを描いた作品
まるで、自分の身に起きていることのようなリアリティがあって、次はどうなるんだろう…と、終始ドキドキして
できることなら、助けてあげたくなってしまう
そんな映画だった
ネットショップの配送所で働く主人公のオリヴィエ(ロマン・デュリス)は、ある日突然、妻に家出をされてしまう
それ以来、仕事も、家事も、幼い子供2人の育児も、全て、オリヴィエがこなさなくてはいけなくなってしまう
私には子供がいないので、育児の経験はないけれど、それでも、オリヴィエが置かれた状況には、身につまされるものがあった
チームリーダーとして仕事を任され、職場ではいろいろ起きるし、家では、子供たちが母親を恋しがっている
そんなオリヴィエの発狂しそうな心境が、すごく伝わってくる空気感があって
そのリアリティがこの映画の魅力だと思った
そして、この中で起きる様々な事柄について、こんな時、私ならどうするだろう…
と、考えながら観ていた
その時思ったのは、
こういう時に私には、助けてくれる人がいるだろうか
ということと、逆に
もし、私に近しい人がオリヴィエのような状況になったら、私はその人に何かしてあげられるだろうか…
ということだった
その全てを一人でこなすのは到底無理で、誰も幸せになれない
少しでも良いから、周りにいる人たちがサポートすることが大切だと感じた
日頃、家事や育児に不慣れなお父さんの目線でこの映画が作られているからこそ、ワンオペ育児の大変さが身に染みる作品になっている
きっと、子供たちが好きな服や、好物のおかずすらも知らず、
かといって、仕事もあるから、そこに時間をかけている余裕もない
オリヴィエのようにならないためにも、日頃から辛い時は「辛い」と言うことが、大事なことなんだと思う
オリヴィエのように、どうにもならない思いは、家族にぶつければ良いし、自分一人で決められない家族のことは、子供たちと一緒に決めれば良い
周りの人たちも「ヘルプ」と言ってくれた方が手伝いやすい
お父さんでも、お母さんでも、シングルになってしまったら、ワンオペ育児でがんばるのではなく、
周りの人たちと、その大変な思いをシェアすべきなんだと思った
そして、この映画は、できることなら、日頃、お母さんに育児を任せっきりのお父さんにぜひ観て欲しい作品だと思った
きっと、奥様の偉大さを感じるに違いないと思う