「妄想シーンが絶望を緩和」ゴーストランドの惨劇 かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
妄想シーンが絶望を緩和
あらすじに騙された
前半は辛い過去を乗り越えていく、家族の前向きなストーリーかと思った。あらすじを鵜呑みにしたので、中盤のどんでん返しは予想できなかったなー。よく考えたら違和感はあった。母が強すぎ(男二人をボコボコ)、惨劇が起きた家で母とベラが住むなど。実は母が死んでいて惨劇がまだ続いてたとなると納得。
現実に戻ると絶望の連続
母が死んだと分かってからの現実パートはハラハラの監禁映画になる。一言もしゃべらないデブとガリの男がとにかく怖い。凶悪な二人に追われるベスとベラがずっとピンチなので「逃げて…!」と応援したくなるほどだ。16年は長いよ…。
映画から漂う雰囲気が暗くて重いのもズシリと来る。家内のシーンはテレビの明るさを上げないと、何してるか分からないほど暗い。日中の明るい時間に見れてよかった。寝る前に見てたら悪夢を見てたろうな…。
妄想シーンが絶望を緩和
もしこの映画が現実パートだけだったら辛すぎて見れなかっただろう。ベスの妄想を入れることで怖さが緩和されて何とか見れた。
ベスの妄想力がうらやましい。あの想像力があればどんなツライ現実からも逃避できそう。祝賀会から抜け出しベラを救いに行くシーンは、妹を想う気持ちを感じて感動した。ベスの妄想力があればあのまま幸せの中に居れたのに…愛する母が居ない現実に戻るのは辛かったろうな。
EDで後はベスは小説家になったのだろうか。タイプライターのカットが一瞬はさまってたのが意味深。小説家になったベスは妄想と現実を両方入れた真の「ゴーストランドの惨劇」を書くんじゃないかな。大ヒットして成功してほしいわ。16年も地獄を味わったのだから。