「夢見る少女じゃいられない!」ゴーストランドの惨劇 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
夢見る少女じゃいられない!
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調べてみるとアメリカの絵本に「ベスとベラ」という傑作があるらしく、もしかしたら双子の姉妹の名前はそこから採ったんじゃないかと思える。キャンディ屋のトラックなんてのも絵本の世界のようだし、人形だらけの屋敷にしたってそう。どことなくゴシックホラー調な展開と、ベラが「ロブ・ゾンビ風」だと評する叔母クラリスの屋敷が見事な世界観を醸し出していた。
目が光る人形よりも頭のデカい3頭身の人形が不気味。頭がデカいだけならチコちゃんだって怖い。本人にそっくりなラブクラフト役の俳優もちょっと怖かった・・・
キャンディトラックウーマンの魔女(男性名っぽい俳優名だった)に海坊主風の巨体オッサンはそんなに怖くないし、暴行を受けるシーンも痛々しいけど怖くない。なんたって、伏線となるガソリンスタンドの新聞記事からして、娘二人は殺されないと想像できるからだ。
そんな中、この作品の優れているのは現実と夢が入れ子構造になっていること。16年後にホラー作家として大成功を収めたベスが姉ベラに呼び出され恐怖の館を訪問するのですが、この大人のストーリーが全て少女ベスの夢か妄想になっている。時折うなされる悪夢のシーンの方が現実というわけだ。
双子ではあるけれど黒髪と金髪で見分けやすいのですが、大人のベスと少女のベスがどこで入れ替わっているのかわからないほど似ていた。この少女ベス役のエミリア・ジョーンズの演技も見事で、一緒に妄想したくなっちゃいます・・・仕掛けが分かってしまうと二度見したくはないけれど、夢と現実を使い分けた編集が見事だったとしか言い様がない。
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