「監督は女の子が嫌いなのか」ゴーストランドの惨劇 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
監督は女の子が嫌いなのか
パスカル・ロジェ監督は過去作、「マーターズ」で世界中に衝撃を与えたが、本作もそれに近いものを持っている。ホラーは思わず顔を背けてしまう事もあるが、本作にそれはご法度だろう。なぜなら細かなところが伏線となっている為である。
作品の巧妙さは監督の過去作と比べても格段にレベルが高い。一度でトラウマレベルなのはいつもどうりだが、二度、三度と鑑賞するとより納得して鑑賞する事が出来る。こういう作品はBlu-ray等をコレクションに並べておきたい一作だ。
パスカル・ロジェ監督は「暴力」をリアルに描くのが上手い。演技する側は困難を極めるだろうが、それは観客も同じである。派手なスプラッタはエンタメ要素で鑑賞できるが、若い女性を痛めつけて満足する男どもが画面に現れると不快度は頂点に達する。どうしても「マーターズ」が脳内にちらつくが、この二作を比べると鬼畜度は圧倒的に「マーターズ」が上。「不快度」は本作が圧倒的に上だ。二作とも女の子が酷い目に遭うという共通点があるが、ホラー映画と女の子は昔から最強のコンビなのは知っての事。しかしながらここまでいじめ抜かれると「そんなに若い女の子嫌いなのか」とツッコミたくなる。
だが、ただ単に不快で終わる事は一切なく、不思議な余韻を残してくれる。それは過去作も共通しており、同じフランス映画でもやはりこのテイストはパスカル・ロジェ監督ならではだ。
さて、次はどんな娘がボコボコにされるのか、楽しみに待つとしよう。
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