「Yingという題名もあります。」SHADOW 影武者 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
Yingという題名もあります。
この作品を見た後、YouTubeのチャン・イーモウ監督の北アメリカ映画フェスの舞台上の挨拶を見ていたのだが、黒人のMCが彼の業績についてサラ~ッと紹介したところで、北京オリンピックの開会式と閉会式の演出を担当したと説明したときに表情を変えずにいたということはこの監督、英語を理解していないのか?事前の打ち合わせをしていないのか?はたまた、小さなことに関心のない肝の座った方なのか?どうでもいいことは置いておいて、前出のMCが彼の略歴を紹介している中で、ウイリアム・シェイクスピアや黒澤明監督の作品からインスパイヤーしていると言っていたが、そんなことを言ってしまったら、この映画が黒澤監督の「乱(1985)」や「七人の侍(1954)」と多少似ているのがバレチャイますよ。
今回の映像は、前回の映画で、信号機の色のような甲冑(紅など特定の色の構成で有名)で懲りたのかどうか知れないが、この映画を観た誰もが口にするのが、あたかも水墨画で描かれたようで、そのモノトーンの中に耽美的要素を追及しているような感覚になり、見入ってしまう....と。
前回の「The Great Wall (2016)」の出演料欲しさにわざわざオスカーをハリウッドの人非人兄弟の弟に譲ったのに、この映画が100億円近いA box-office bombが大炸裂をしてオスカー受賞会場では他の映画人からいじくりまわされた、オメデタイ人がご出演されていた。この方たちのファンの皆様、レビューを見たからと言って、興奮しないように.........逆効果か?
皇帝の妹役のXiaotong Guan、敵の大将の息子で政略結婚させられようとする相手との格闘シーンは、スタントダブルをしっかりと使ったほうがよかったように見えたが.....。
監督自身が、CGIを使わずに実際に創作したものを使い、リアリティを出した演出をしていると言っていたが、陰陽(yin-yang )の竹でできた舞台や個性あふれる衣装など、それと宮殿の装飾されたパーティーションのようなものも、手作り感あふれているが、しかし、監督は何か誤認されているようで外の背景や山の景色、大勢の人など思いっきり使ってますよ。
多分、このように批判めいたコメントを載せるとチャン・イーモウ監督のファンの方たちは、“大激怒”ですか?
それではお口直しに、アメリカのエンタメ情報誌、Hollywood Reporterの記者は、「 これはおそらくチャンが今までに作った映画の中で最も驚くほど美しいものとなっている。」また、エンターテイメント産業専門の業界紙、Varietyは、「彼の息をのむほど美しい、この映画のすべてが、見事に演出されたスタイルは、おのおのの違った場面にもかかわらず、繰り返される芸術的最小単位にまでおよび、しかもその構図がまたお互いに共鳴している。」とべた褒め!
これぐらいで許してください.......!?