「キュウべぇ「こんな腐れ外道見たことないよ」」劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キュウべぇ「こんな腐れ外道見たことないよ」

2020年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

アニメにも哀しい作品や描写とか当然あり、自分も過去には幾つか観てきました。最近ではTV/劇場版双方で『まどマギ』『結城友奈』『ヴァイオレットエヴァーガーデン』『聲の形』など、そして本作TVシリーズでのミーティに関するアレコレも然り、観たその日はゲッソリ凹んで何もする気が起きなくなって寝込んでしまう程でした。

作品自体は可愛いキャラの割にグロ描写が多く、ナゼかチョイチョイ下ネタが挟まるなどのオプションにも見どころがあり、グロ描写が苦手でなければ個人的にはオススメの楽しめる作品であると思います。
一つだけ難しいのは『上昇負荷』について。具体的にはナナチが説明しててそれ程難しい話ではないのですが、お話の根幹をなす重要な設定ですので理解は必須です。
そして今作は前作を鑑賞している事も条件となります。ソレさえ踏まえれば特にファンムービー要素は濃くはありません。

特筆スべきは、よくもまァコレ程までに腐れ外道な創造を思いついたものだ、と言う所でしょうか。これまで『キュウべぇ』がその筆頭候補でしたが、ヤツは少女の弱みにつけ込むもウソや間違った情報で騙した事はなく、結果的に魔法少女が自ら惑い破滅し目的もそこにあった訳ですが、ボ卿に至ってはその常軌を逸したイカレ同然の研究脳で、極悪非道な鬼畜悪魔の所業を自ら実行している事にその最悪が宿ります。正直サスガのレグでも苦戦どころか勝てる気がしませんでした。
今作のオチでその辺もキチンと風呂敷の中に畳まれていますが、そんな得体の知れない強大な『敵』に果敢に立ち向かう3人(?)の冒険と成長の姿が丁寧に表現されていて、魅力に溢れた文句なしの最高の逸作に仕上がっています。

些細ながらも難点があります。それは実際には高校生?最低でも中学生くらいの年齢設定と思われますが、寸胴なキャラデザインのせいで小学生にしか見えないことと、そんな幼い子供を過剰に痛めつける描写が多いことでしょうか。全身の穴から血が吹き出して、常識的には病院のICUに放り込まなければ助からなそうな重篤な事態でも、薬草治療などで割とすんなり回復する所など、もう少しお手柔らかでもヨサゲな気がします。あと「ンなぁ〜」がもっと聞きたかったかなw

今年最初のアニメ映画でこの様な良作にありつけ、上々の出だしになりました。これを機に今年こそは好調であって欲しいと願うばかりです。

Geso_de_Nyoro
Geso_de_Nyoroさんのコメント
2020年1月20日

自己コメントですが、作中に「祝福」てのがあり、どうにも耳覚えのある言葉で気になっていましたが、思い出しました。蒼穹のファフナーの『祝福』でした。その意味も何だか類似した設定に思われます。

Geso_de_Nyoro