僕たちのラストステージのレビュー・感想・評価
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凸凹
コメディアンという総称の原型を見たような感じだ。
1人の天才と、その相方。
昔のコントだったり、アメリカンなテイストだったりはするんだけど、不思議とクスッて笑ってしまう。
ドリフターズを知ってる世代なら、彼らの源流はここにあったのかと懐かしめるだろう。
物語は、かつて頂点を極めたコメディアンの晩年を描く。
「引退」の描き方が腑に落ちた。王道な展開ではあったが優秀な脇役達のおかげで観やすかった。
特にラストステージを観る高慢ちきな妻が、相方の妻の手をギュッと握るカットは至極だった。
その手からパーンアップされた妻の表情には不安など微塵も現れない。
口角を上げ笑ってるようにも見える。
まさに命がけのステージの裏側を客席の自分たちの反応からでも読み取らせてはいけない、と言ってるようで胸が熱くなる。
最後のテロップに泣かされる。
1人はこの巡業を機に引退し、もう1人はその相方との台本を生涯書き続けた。
夢も熱もあったのだろう。
コメディアンの表と裏を存分に堪能できた作品だった。
日本で言えば、カンニングの竹山さんなんかが観たら号泣するのかと思う。
ただ彼もプロなので、公の場では相方の悪口の1つも言って「笑い」を産むのだろうと思う。
あの業界に踏み込んだ人達には珠玉とも言える作品なのかもしれない。
写し鏡
シンプルで王道、ほとんど思った通りの流れにしかならない優等生ムービー。
それでいい、それがいいし、それを観たくて劇場に足を運んだわけだけど、なんだかあまりハマり込めなかった。
終盤になるまで常にしんどさが消えなくて、心を嫌な風につつかれながら観ているようだった。
身体も人気も衰えていく。
老いや時の流れを身でもって実感する過程も、売り言葉に買い言葉の喧嘩も、周りの反応もすべてが苦しい。
冒頭で描かれる人気絶頂期ですらお金やプライベートでチクチクしていて、一番最初に二人の魅力をもっと叩き込んでほしかったなと思う。
そうしたらもっと素直に二人を見守って愛しくなれたのに。
巡業の際に起きる出来事に悉く気分が落ちてしまって辛かった。
終盤になってやっと一息つける。
今まで人の言うなりになってきたオリバーが本当に自分のやりたいことを優先できた瞬間にああ良かったと思える。
コントにのっとった二人の切ない和解のシーンも好き。
周りが何と言おうとどう見られようと自分の身体が悲鳴を上げようと、やりたいからやる、という強い意志が見えたことに心底安心した。
ラストステージはもうちょっと丁寧に観せて欲しかったけれども。
義務のように泣いてしまったけど、鑑賞後は空虚な気持ちになった。圧倒的に感情移入が足りない。
二人の妻が一番好きかもしれない。
ナチュラルに漫才みたいな掛け合いを始める良コンビ。
スタンとオリバーが正反対の人物像なのに倣うように妻同士も見事に正反対なのが面白い。
絶対にデルフォントが嫌いなイーダの態度本当に好き。
見た目も性格も声も話し方も全然違うけど、夫を愛するしっかり者なところは同じ。
最後の妻二人の表情にとてもグッときた。
鏡に映ったショットが印象的。
似ても似つかないスタンとオリバーだけど、相手は自分で自分は相手の精神を持って、写し鏡のようにお互いを見ていたのかなと思う。
実際のこのコンビについて全く知らなかった。最後に流れる実際の映像が楽しい雰囲気満載で笑ってしまった。
昔の芸能に敬意はあれど、その面白さはいまいちよくわかっていない。
あんな爆笑するようなものか?なんて思ってしまいがちだけど、ネタの面白さだけではなくて二人の雰囲気だとかその場の楽しさも加わって笑えるのかもしれない。
ストーリー自体は可もなく不可もなく、予想以上のものは無かった。
しかし結構細かいところで好きな点が多くて、飽きずに観ることができて良かった。
真顔で連発するギャグやお決まりの仕草なんかも可愛い。
劇中で明らかな死は描かれずとも、がっつり死に向かって落ちていくめちゃくちゃ太った人をずっと見ているのが一番辛かった。顎肉を超絶ぽよぽよしたい。
もっとハッピーな雰囲気だと思っていた。
最近あまりにも強く死を意識してしまって怖いので一旦リセットしたかった、なんて変な動機を持ってしまったのもいけない。
良い話であることに間違いないんだけど、ちょっと今の私には合わなかった。しかしなんだかんだ嫌いではない。
ゆでたまご食べたい。ぐりぐりと殻をむいて塩振って食べたい。
感動のラストステージ!
最後の舞台がたまらないです。船のシーンもよかったです。
妻二人のやりとりもたまらないです。
エンドロールまで実話とは知りませんでした。エンドロールの当時の映像も素敵でした!
劇場でご鑑賞おすすめします。
【相方を想い遣る優しさに溢れたヒューマン・ドラマの秀作】
1900年代中盤頃、全盛期を過ぎたアメリカの実在喜劇役者コンビの物語。
相方を観る優しさや時に寂しげな眼差しが良い。
相性が良すぎて、喧嘩をしても周囲はコントをやっているように見えてしまう程。
2人の夫人同士のやりとりも面白い。
当時、実際にやっていたのかは分からないが、劇中出てくるコント劇も(今でも大須演芸場でやっていそうな)べたなものだが、クスリと笑える。
お互いに敬意を持ち、それを様々な形で表現する2人の姿に胸打たれる。
最後に字幕で流れるテロップにも注目してもらいたい。
2人の関係性が良く分かる事実が書かれている。
観終わった後、爽やかな気持ちになれる作品である。
<2019年4月20日 劇場にて鑑賞>
小気味良いブロマンス映画
ローレル&ハーディとはまたシブい人選の映画だな、と思わずにはいられない。
感想を端的に言えば、トム&ジェリーの「仲良くケンカしな」。
マジケンカをしているのに、周囲からはコントをしている風に見られるという皮肉。
芸そのものは確実にウケるのに、寄る年波には勝てない辛さ。
そんなこんなでしょっちゅう衝突するも、根底には信頼があるというブロマンス映画となっている。
加えて2人の妻も、両極端でありながら夫を想う気持ちはありつつ、それでいてこちらもイイコンビとなっているのが可笑しい。
号泣必至の感動作!とまでは言えないが、小気味が良い作品。
どうせならキートンやロイド、アボット&コステロの伝記映画も観てみたい気もある(チャップリンは既にあるので除外)。
とても素敵
大作のような派手さはないけれど、じっくりしっかり関係を描いて。じんわりとした感動に包まれる愛しい映画でした。
可愛くて楽しくて、笑って泣いて。時に仲たがいもあるけどやさしい気持ちになりました。
とても素敵な二人。
昔の二人の映画を見返したくなりました。
名作落語みたいに笑って泣ける
日本でいうと「エンタツアチャコ」か?笑。
芸に向き合う真摯な姿と色々あってもお互いを必要とする友情を「さりげなく(熱くではなく!)」描いているのが素晴らしい。笑って泣ける名作落語みたいな作品でした。
2人のコンビは永遠に不滅!
ジョン・C・ライリーさん大好き!
あの、優しくて包容力のある、愛されキャラの彼だからこそ、この役はぴったり!
2人のコンビが見事にハマっていました。
相方のヒョロッとしたスティーヴ・クーガンさんと、クマさんのようなジョンさん。
本物の2人が蘇ったかのような、素晴らしいパフォーマンスに、感動の連続でした。
特に中盤のコントは最高!
息のあった2人は、長年連れ添った夫婦のよう…。
喧嘩もするし、暴言もたくさん吐くけれど、それは本気じゃないって本当はお互いわかり合っている。
語り合わなくても、感じあえる2人って良いですね。
2人のコンビ愛に感動の連続でした。
絶頂期の人気から16年経過して、人気が廃れてしまって、一時は解散の危機に追い込まれた2人。
このままではコンビ解消か?という状況の中、一つのきっかけが再び再結成の糸口に!?
初めは全然人気がなかったけど、2人の圧倒的なパフォーマンスによって、徐々に人気が回復していく様子がとても楽しい!
途中で無理がたたって病気になっても、コントだけはやめないという、その根性がさらに素晴らしい!
お客さんも2人の頑張りに答えてくれるかのように、温かい声援で2人の漫才に大爆笑する姿は、感動して涙が出そうになりました。
これが実話だというのですから、本当に凄い!
コンビの絆って、夫婦の絆とはまた違う、特別な運命の糸で結ばれているんだなと実感しました。
コンビを組むというこは、互いの人生を預けることと一緒。
その重みを感じているからこそ、簡単に解消できないのもコンビの宿命なのでしょう。
相方が亡くなっても、最後までコンビを組むことのないままこの世を去った漫才コンビ。
ローレル&ハーディの2人のコンビは、永遠に不滅なのですね!
深い友情に感動
見始めの第一印象は、ちょっと古いけどコント55号を思わせる。
うまくいっているときはいいが、互いの心のすれ違いが不仲を生む。でも互いを分かり合っているからすぐ仲直りできる。これが本当の友情。
ストーリーは単調、派手さもない、BGMも記憶に残らない、が感動できたのは演出が素晴らしいからと感じる。中高年の方にオススメです。
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