「何かと恥ずかしい母の愛」母との約束、250通の手紙 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
何かと恥ずかしい母の愛
ロマン・ガリの半生の物語。母の愛がどうのこうのって言う以前に、彼の半生が波乱万丈で面白かった。
スウェーデン女性は世界の男の夢?そうなの?それって世界の男の常識なの?どうりで。レベッカ・ファーガソンに惚れる訳だ。
取りあえず、ミリオタとして触れておきたいのは、操縦士が視力を失いながらも海峡を渡って帰還した爆撃機、ハンドレ・ページ・ハムデン (Handley Page Hampden Mk.Ⅰ)。動力性能重視で軽量化するために銃座が動力式では無く、レイアウトも機体設計も画期的だった爆撃機。最大速度は400kmphと軽爆撃機並みだったそうです。1400機以上製造され、WWⅡで半数が失われたとされていますので、ロマンの生還確率も1/2位だったって事でしょうね。
迫害を受けるユダヤ人。それでも、当時暮らしていた場所がどこであったかで、これだけ運命に差がでるもんなのかと。そっちの方がグサリと刺さってしまいました。母親の成功欲は迫害への反骨。息子への偏愛は成功欲の同位体。250通の手紙は、息子を思う愛の深さの証し。しかしながら、お母ちゃんの活動力と商才、大したもんです。尊敬します。
文学無知なワタクシ、恥ずかしながらロマン・ギャリーの作品を一つも読んだことありませんのでして。死ぬまでに読む本に「夜明けの約束」を登録しました。
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