「約束は果たされたか?」母との約束、250通の手紙 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
約束は果たされたか?
うちの子は偉い軍人だとかフランス外交官だとか偉大な小説家になると言われ続け、幼き頃からそれに応えようと奮闘してきた主人公ロマンと、その過激なシングルマザーの物語。
タイトルを見た感じでは、母と息子の温かな感動作といった印象を受けたが、実際はもっと内容の深い物語だった。
正直言って、周りを見返したいという気持ちが異常に強く、息子を大物にせんとする母親の言動は普通ではない感じ。かなり過激に息子に干渉するが、当のロマンは嫌気がさしながらも、その期待に応えようと奮闘する。
上述の通り、自分はこの母親の言動が異常に思えてたが、苦しみつつもロマンはそんな母親を確かに愛しているようで、この母親は絶対に間違えているだなんて他人の自分が言えることではないなぁと。。なんだかんだでこの母親は強く、どんな状況になっても生命力が半端ない。現に息子ロマンも確かな地位を得た大物となっているし。
改めて親子の在り方って十人十色だと思わされた。
母と息子のメインテーマの他にも、差別や偏見、戦争等々様々なテーマがありつつも、ストーリー自体はそれほど複雑ではない本作(8歳の悪女には驚いたが)。しかし、映画の最後、ロマンの心情はどのようなものか、結局彼は幸せだったのか、その答えを見つけるのは難しそう。
そして、あの厳しい母親が最後に見せた、ああいう形の優しさにグッときた。
白い嘘、読んでみたい。
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