「【虚栄心と思い込みの強い母が、愛する息子へ送り続けた"生"のメッセージに涙する。】」母との約束、250通の手紙 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【虚栄心と思い込みの強い母が、愛する息子へ送り続けた"生"のメッセージに涙する。】
冒頭、幼きロマン(実に愛らしい少年が演じている)のプレッシャーは半端ないなと思いながら鑑賞。
何しろ母ニーナを演じるのはシャルロット・ゲーンズブールである。(個人的な感想である。)
そして、彼女の息子を愛するが故の虚栄心と思い込みの数々。
・ロシア貴族の末裔
・将来はフランス大使
・画家は酒飲みだから駄目
(音楽家はロマンに才能なし)
・作家ならば、トルストイ、ヴィクトル・ユゴーが存命中に成功しているので良し!
ハッキリ言って、鬼母の元祖である。
だが、幼きロマンは懸命に頑張る。
ニーナに夫がいないことも彼らの多少歪な関係性を保った理由だろうな・・、と思いながら鑑賞。
が、ロマンの成長(ピエール・ニネ登場:心の中で拍手)と共に二人の関係性の見方が、徐々に変わってくる。
ロマンは母の望み通り、”一度だけ”短編小説が新聞に掲載され、鼻高々。ニーナもとても嬉しそう。(が、その後苦労するロマン・・)
二人は離れていても、お互いの”生”を強く望む様になっていく。
特にロマン。
第二次世界大戦下、翻弄される二人であるが、ニーナはロマンの昇進を信じてやまない。
- この辺りで第二次世界大戦下のユダヤ人の血を引く人々の微妙な立ち位置が描かれる。”サラの鍵”程ではないが・・ ここもさり気無いが良い。-
戦時下で戦友に呆れられながらもロマンが書いた小説「白い嘘」のイギリス出版が決定したのに、ニーナからの手紙はその事に触れられていない・・。
後半は"私の予想が外れる"事を念じながら鑑賞。
そして、涙した・・。
<男が闘う理由とは 名誉、女、そして”フランス”ではなく、愛する家族、父、母、そして大切な友人のためである、という当たり前の事を再確認した映画。個人的に良かった、とても。>
■蛇足
シャルロット・ゲーンズブール(私の中では、ゲンズブールではない・・)は一時期、私のミューズであった。CDも国内販売されたものは全て聴いている。(1986年”魅少女シャルロット”含む。家人の断捨離攻撃からも守っている。いつまでも、素敵な女優、ミュージシャンとして活躍して欲しい・・、と心から願う。
最初、だれるかなあと心配してましたが、途中からテンポが良くなって引き込まれました。
因みに、AIなんとかの他のレビュワーさんとのやり取りを目撃してしまい、明日朝一映画安い日に予約してて、あーしまったって思ってます(笑)。心して出かけます。前田建設は、オススメです。