「弥次郎」英雄は嘘がお好き 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
弥次郎
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善意から手紙を偽造する姉はともかく、帰還した妹の婚約者があまりに鉄面皮で品性がなく、興を削ぐ。戦死したと思われていた夫(または恋人)が帰還して…という設定の映画は、「マリア・ブラウンの結婚」や「ある愛の風景」ほか多々あるが、そんな深刻な葛藤が起きるでもなく、ただただ座付き作家を得たお調子者のほら吹き談義が続く(そもそも尾羽打ち枯らしていた彼がどうやって大尉の軍服を入手したのだろう)。インドでの戦功の話などすぐ露見しそうなものだが。しまいにはネズミ講にまで手を染める始末。俗物ぞろいの連中を煙に巻くあたりは、ゴーゴリの「検察官」の味わいにも似ている。
メラニー・ロランは相変わらず超絶美人だが、あんなにほくろがあったっけ。
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