「【”伝えるという事”狂言師を継ぐ決意をした幼き息子と父の日常の姿と稽古の姿を描いたドキュメンタリ―映画。歴史と伝統ある芸を極める決意は、年齢には関係ないのであろう。】」よあけの焚き火 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”伝えるという事”狂言師を継ぐ決意をした幼き息子と父の日常の姿と稽古の姿を描いたドキュメンタリ―映画。歴史と伝統ある芸を極める決意は、年齢には関係ないのであろう。】
■650年の伝統を持つ狂言方の家に生まれた大藏基誠は、10歳の息子・康誠を連れ、幼少期に訪れた山の稽古場に向かう。
基誠はかつて父が自分にしたように、康誠に普段より厳しい稽古をつける。
そんな2人の姿を、災害で家族を失った少女・咲子が見つめていた。
◆感想
・ドキュメンタリー映画であるので、主演を務める大藏基誠、康誠は、大蔵流狂言方の実の親子である。
・大藏康誠の、まだ幼き少年ながらも、”自らは狂言の世界で生きて行く”と言う強い意志が、画面から伝わって来る。
又、父大藏基誠も、そんな息子と、狂言回しのような言葉使いをしながら、温かく息子を指導していく。良くある、スパルタ式の稽古風景は描かれないが、どこか凛とした空気の中、二人の稽古は続く。
・アクセントになっているのは、災害で家族を失った少女・咲子が二人の狂言の稽古に加わるシーンであろう。
ー 康誠が、やや誇らしげに咲子に狂言の礼の仕方を教えるシーン。
その指示に素直に従う咲子の姿。-
<私は、故赤江瀑氏の著作やエッセーを愛読しているので、歌舞伎にはソコソコ詳しい。
だが、狂言となると、野村萬斎氏くらいしか存在を知らなかったし、舞台も観た事がない。
それ故か、今作は大変興味深く鑑賞した。
歴史と伝統ある芸を極める決意をするという事は、年齢には関係ないのであろう。>
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