「Jホラーを完膚なきまでに潰滅させるシリーズの幕開け」犬鳴村 MADAKIさんの映画レビュー(感想・評価)
Jホラーを完膚なきまでに潰滅させるシリーズの幕開け
なんで新年一発目にこれを見ちゃったかなぁ…と後悔した。怖かったからじゃない。ひどかったから。
いちいち文章作るだけ面倒なので、箇条書きで悪い点書いてく。
・脚本がどうしようもない:説明セリフとか展開のタメとか、基本的な映画の作りがわかっていないのか、ストーリーがまるで頭に入ってこない。
・演出が最悪:いつの間にかヒロインの兄(だっけ?それすらあやふやだ)の彼女は頭おかしくなって自殺するわ、いつの間にかその兄と犬鳴村に乗り込まされた不良仲間はケンカ別れして兄と弟だけ行方不明になるわ、特に意味なく不良仲間は死ぬわ、ヒロインがケアしてた子どもとの因縁はよくわからないわ。全てがいつの間にか、なんやかんや終わる。とにかく脚本と演出で視聴者に何を見せたいのか、どんな感情を持ってほしいのかわからない。極めつけはラストの思わせぶりなだけの「まだ終わってません」演出。意味がないどころか害悪でしかない。ハロウィンじゃねえんだからよ。
・演技がヘタ:ホラー要素なくても自殺しそうなくらい登場人物を取り巻く環境が重苦しいせいで、若手はとりあえずみんなキレる演技だけいっちょ前で、ケンカばっかしてる。
・特殊効果に予算つかなかったの?:クリーチャーというか怪異の特殊効果が雑すぎる。盆踊りしてる村人に溺死させられる兄の友達が不憫でならない。犬鳴村の人が犬と交わった、はデマなんじゃないのかい?犬の怪物になっちゃうのね…
とかく徹頭徹尾いいところのない映画。「恐怖回避ばーじょん」とやらが意味を持つのは本編をちゃんと怖くしてからだろ。
「リング」「呪怨」「恐怖新聞」「仄暗い水の底から」など、我々を恐怖のどん底に叩き落としたJホラーの傑作の系譜がこの犬鳴村にはじまる「村」シリーズ(後続に樹海村と牛首村)だとしたら、もはやJホラーは死んだと言わざるを得ない。