「フィクションと現実の間」決算!忠臣蔵 ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
フィクションと現実の間
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この映画で描かれてるのは主君の無念を晴らすために様々な艱難辛苦に耐えて遂に本懐を遂げる「義士」の話ではない。
限られた予算の中で何とか目的を達成しようと泥水でも何でもすすろうとするかっこ悪い「浪人」の話だ。
これこそが芝居でもてはやされた赤穂浪士の“リアル”である。
そうは言いながら、討ち入り以外の忠臣蔵名場面を要所要所に抑え、時にかっこよく、時にコメディに描いた本作は間違いなくこれまでの忠臣蔵のイメージを覆すであろう。
忠臣蔵の新しい描き方としてとても新鮮で面白く、討ち入りを描かず、錦絵などで代用するのには思わず「お〜〜」と感服してしまった。
俳優もとても豪華な面々が揃い、番方の金のことを一切考えず、見栄と彼らなりの道徳で突っ走る姿がとても上手かった。
また、堤真一さんの、番方と勘定方の板挟みになる、苦悩するかっこ悪さがよく出ていて、新しい大石像を生み出したと思う。
ちなみに、矢頭長助は病死であり、殺されたとするのはこの作品のフィクションであるようだ。
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